教員試験、大学3年生で受験可に さいたま市、24年度から導入へ 志願者数は過去最多で右肩上がり、理由は

さいたま市役所=埼玉県さいたま市浦和区常盤

 埼玉県さいたま市教育委員会は25日、2024年度に実施の市立学校教員採用試験から、大学3年生が第1次試験を受験できる制度を導入すると発表した。大学3年生を対象に実施していた「さいたま市教師塾『夢』講座」は、大学2年生に前倒しする。教員不足が指摘される中、教員を目指す学生の負担を軽減して、受験しやすい環境を整える。

 新たに導入される「Step Up選考」は、大学3年生が1年早く1次試験の筆答試験を受験できる。選考通過者は次年度の1次試験の筆答試験が免除され、4年時に面接試験に集中して取り組めるという。同様の試験は、県が24年度から、東京都や千葉県、相模原市が導入している。

 18年度から実施している教師塾は24年度から、大学2年生に前倒しする。入塾選考を受け修了認定されれば、4年時での1次試験が免除されたりする。本年度は約70人の学生が受講し、市の特徴的な教育などを学んでいる。

 市教委によると、教員不足は今月1日現在、小学校21人、中学校1人、特別支援学校2人の計24人。市教委の担当者は「教員不足と言われる中、3年生から挑戦することなどで、学生の負担を減らし、さいたま市で教員を志す学生の背中を押したい」と話した。

 一方、志願者数は右肩上がりで、24年度採用の志願者数が前年度より100人多い過去最多の1308人。採用見込み数も過去最多で、前年度より34人多い400人だった。市教委は教員免許を所有しない社会人を対象にするなど、15の特別選考を実施しており、志願者数の増加につながったとしている。

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