宝塚歌劇 月組トップ娘役の海乃美月「最後まで丁寧に取り組む」退団決意の経緯語る

退団会見に臨んだ月組トップ娘役・海乃美月=宝塚市栄町1、宝塚大劇場(撮影・長嶺麻子)

 来年7月での退団を発表した宝塚歌劇月組トップ娘役の海乃美月が26日、宝塚大劇場(兵庫県宝塚市栄町1)で会見した。「月組一筋で来た。私らしく、月組のみんなと、また(同時に退団する)トップの月城かなとさんと最後まで丁寧に取り組みたい」と胸の内を語った。

 海乃は富山県氷見市出身。2011年に初舞台を踏み、組まわりを経て12年、月組に配属。21年トップ娘役となった。かれんな役柄から明るく快活なキャラクターまで、巧みに演じ分けられる娘役として、「芝居の」月組を支えてきた。

 月城からは「グレート・ギャツビー」(2022年)公演の際に退団の意志を告げられた。海乃自身、10年以上のキャリアの中で「じっくり考えるきっかけになった」と振り返り、「フリューゲル-君がくれた翼-」公演のときに退団を決心した。

 その月城には「相手役だが、人生の師匠。とても愛がある人。一言では言い表せない」と全幅の信頼を寄せる。「卒業の日まで(月城との)一瞬一瞬を大切に精いっぱい務めたい」と決意は固い。

 遠野あすかにあこがれ娘役を目指し、月組に配属されたときは愛希れいかがトップ娘役に就任。その後、美園さくらへと、月組トップ娘役の背中を見て成長してきた。

 転換点となった公演は2018年、月城主演の「THE LAST PARTY~S.Fitzgerald’s last day~」だそう。「舞台に立ち、芝居をすることに迷いがあったが、お芝居としんしに向き合うことを学んだ」という。

 「宝塚では舞台人としてだけでなく、1人の人間としてたくさんのことを学ばせてもらった。愛にあふれた場所」と感慨深げ。「最後の日まで、月組の一員として月城さんと全うしたい」と笑顔で語った。

 今後の予定は「フリューゲル-君がくれた翼-」「万華鏡百景色」(10月14日~11月19日、東京宝塚劇場)▽「タカラヅカスペシャル2023 Open the Future~未来へ~」(12月21、22日、梅田芸術劇場メインホール)▽「『G.O.A.T』~Greatest Of All Time~」(2024年1月17~31日、梅田芸術劇場メインホール)▽「Eternal Voice 消え残る想い」「Grande TAKARAZUKA 110!」(3月29日~5月12日、宝塚大劇場、6月1日~7月7日、東京宝塚劇場) (片岡達美)

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