エンゼルス・大谷 投手で来季全休なら2025年は投手登録でスタート

右ひじの手術を無事に終えたことが明らかになっている大谷翔平(エンゼルス)は、2024年シーズンは投手として登板せず打者に専念し、2025年シーズンから二刀流でのプレーを再開する見込みとなっている。だが、二刀流選手としての登録には「投手として20イニング以上」かつ「打者として3打席以上の出場が20試合以上」が必要であり、投手として全休する予定の大谷は来季、この条件を満たすことができない。よって、2025年シーズンは、2021年シーズンと同様に投手登録で開幕を迎えることになりそうだ。

MLBでは、アクティブ・ロースター内のすべての選手を「投手」または「野手」に分類しなければならない。投手登録の選手は最大13人まで(9月以降は14人まで)しかアクティブ・ロースターに登録できず、野手登録の選手の登板には点数やイニングによる制約が設けられる。しかし、条件を満たして「二刀流選手」に分類された選手は、投手の人数制限にカウントされず、野手登板の制限も受けないというメリットがある。2020年シーズンに二刀流選手の制度がスタートして以降、このメリットを享受してきたのは大谷とエンゼルスだけだ。

二刀流選手として登録されるためには、前年のシーズン、またはその年のシーズンに「投手として20イニング以上」かつ「打者として3打席以上の出場が20試合以上」という条件を満たすことが必要。二刀流選手の制度がスタートした2020年は、「2018年または2019年に条件を満たしていればOK」という特例が設けられたため、投手として2019年を全休した大谷は2020年シーズンの開幕から二刀流選手として登録された。しかし、大谷は2020年シーズンに1回2/3しか投げられなかったため、2021年シーズンは投手登録で開幕を迎え、シーズン途中に条件をクリアして二刀流選手での登録に切り替わった。おそらく2025年シーズンも同様の形となるだろう。

ただし、2021年シーズンは、新型コロナウイルスのパンデミックの影響を考慮して、投手を最大13人までしか登録できないという制限が免除されていた。そのため、エンゼルスは大谷以外に13人の投手を開幕ロースターに入れることができた。2025年シーズンは13人の投手のうちの1人が大谷となるため、手術明けの大谷が6人制ローテーションを必要とする場合、大谷の所属チームは他球団と比較してブルペンを1人減らさなければならないことになる。大谷が二刀流選手の条件をクリアするまでの1ヶ月程度とはいえ、多少のデメリットになりそうだ。

投手がトミー・ジョン手術などで1年を全休するケースが珍しいものではない以上、前年に条件を満たすことができなければ二刀流選手の資格剥奪というのは、多少厳しすぎるような気がしないでもない。過去2年の実績を対象とした導入初年度のように、二刀流選手として登録されるための条件を少し緩和してもいいのではないだろうか。

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