英大物ミュージシャン ヘロインは「危険」や「過激」を可能にする!?

ロックバンド、ザ・フーのギタリストのピート・タウンゼント(78)は、ヘロイン摂取で「危険」で「過激」なことができるようになったと信じているという。ピートは、1970年に幻に終わったアルバム『ライフハウス』の制作中に起きた、マネージャー、キット・ランバートとの関係における葛藤について口を開き、メンターであったキットの薬物中毒が軋轢の原因ではないと主張した。

ピートはタイムズ紙にこう語る。「私自身ヘロインを使ったことがあるが、ヘロインで動けなくなることはない」「主にそれは食べ物やセックスを楽しめなくなるという意味だが、『どうでもよくなる』という意味でもある。そしてそれは、危険で過激な行為を可能にするんだ」「キットはニューヨークで新しいキャリアを築いていた。私はザ・フーと一緒に『トミー』に匹敵するようなレコードを作ろうとうだうだしていたが、彼は興味を示さなかった」「彼は私がスピリチュアルなことに興味を持っているのが気に入らなかった。LSDに溺れた後だったんだけど。そして彼は私の結婚を妙に軽蔑していた」「私は花柄のドレスを着たとてもきれいな女性と一緒にいた、川沿いの家に住んでいて、かわいい娘が2人いたんだ。彼はそれを嘲笑っていたよ」

1971年3月、キットはピートにニューヨークのレコード・プラント・スタジオでのレコーディングを勧めたが、キットが自分の元パートナーに自分の悪口を言っているのを見つけ、愕然としたと続ける。「スタジオ・エンジニアのジャック・アダムスに何があったのか聞いたら、彼は教えてくれる代わりに 『茶色いのを味わいたいか?』と言ったんだ。彼もヘロインを使っていた。私たち全員が泊まっていたニューヨークのナヴァロ・ホテルに行き、エレベーターでキットの部屋に向かった。ホールを歩いていると、彼が私の昔のガールフレンド、アーニャ・バトラーというキットの下で働いていた女性に向かって、『もしタウンゼントがここに入ってきて、私が築き上げたものを引き継ぐことができると考えているのなら。タウンゼントのファック野郎。うぬぼれたファック野郎め』と言っているのが聞こえたんだ」

それを聞いたピートは窓から飛び降りようとしたが、アーニャに引き留められたそうで、「その後、キットとの関係が終わったのは明らかだった。でも彼なしでは『ライフハウス』はできないとわかっていたんだ」と振り返っている。

『ライフハウス』は『トミー』に続く新たなロック・オペラと称されるアルバムとして企画され、同時に映画化の予定もあったものの、完成することなく計画は頓挫、同バンドの幻の作品と言われている。

(BANG Media International/よろず~ニュース)

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