ケニアのカルト集団死400人超 「天国へ」教え従い絶食

裁判所に移送される教団のマッケンジー容疑者=6月、ケニア・マリンディ近郊(共同)

 アフリカ東部ケニアでカルト教団信者らの集団死事件が発生し、社会に衝撃を与えている。26日までに確認された死者は400人を超え、多数が不明なままだ。犠牲者の大半は「死ねば天国に行ける」との教えに従い、教団所有の森で食を絶った人々とみられる。

 現場は南東部シャカホラの森林地帯。新興の「グッド・ニュース・インターナショナル教団」の信者が集住していたが、3月ごろ「森にいる家族と連絡が取れない」との通報が警察に入るようになった。

 教団は2000年代前半、森から東に約60キロの都市マリンディで発足。タクシー運転手だったポール・マッケンジー容疑者が民家の庭を借りて布教を始めると「誠実で情熱的な説教が評判となった」(女性元信者)。

 教団は千人を超える規模に成長。一方で、説教は「教育は罪」「医療は悪」といった異様な訴えに変わり、人里離れた森に拠点を移し始めた。

 教団内で今年1月、「神への罪を犯す前に死ぬべきだ」との考えが広がったとされ、脱走した20代の女性は「この時期に周囲で絶食が始まった」と証言した。

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