名門コリンチャンス、伝説選手ソクラテスを讃える最新ユニが登場 黄色に込めた「深い理由」とは

ブラジル1部の名門コリンチャンスとキットサプライヤーのNikeは20日、2023-24シーズンの新サードユニフォームを発表した。

このデザインは現役時代にブラジル政府への抗議運動に参加したレジェンド選手、ソクラテスへのオマージュだ。

Corinthians 2023-24 Nike Third

コリンチャンス 2023-24 Nike サード ユニフォーム

23-24新サードユニフォームはイエローを基調に、各部をブラックで統一したシンプルな色使い。コリンチャンスがGKユニフォーム以外でこの系統の色を使うのは珍しく、2014年以来の登場となった。

発表時点ではスポンサーロゴが一切入っていないシンプルな外観。だが選手が着用するユニフォームはそうはいかず、胸・袖など至る所にロゴマークが付く。

そんな雰囲気ががらりと一変するピッチ上でのユニフォームと、今回のデザインのテーマである「黄色とソクラテス」についてご紹介しよう。

裕福な家庭に育ち、博学で医師免許も取得していたソクラテス(写真中央)。

ブラジル代表でも活躍したこのレジェンドはコリンチャンス所属時代の1983年から84年にかけて、軍事政権下で24年間実施されていなかった“大統領を選ぶ直接選挙”を求める抗議運動「ディレタス・ジャ」に危険を冒して参加する。

他分野の著名人とともに一般人との連帯を示し、その抗議運動での演説の際に着ていたのが、セレソンを思わせる黄色いシャツだった。それが今回のデザインのモチーフとして選ばれている。

今回のビジュアルには本棚と書籍が。これはインテリで知られたソクラテスを端的に表したものかもしれないが、少年時代の悲しい出来事が関係している可能性もある。

大の本好きだったソクラテスの父親は1964年のある日、軍事政権の抑圧・検閲を逃れるために自宅に建てた小さな図書室とそこに並ぶ多くの書籍を自ら処分したという。10歳のソクラテスにはその光景がとても悲しく理不尽に思えたそうで、そんなエピソードを本棚と書籍に込めたのかもしれない。

そんなソクラテスへのオマージュであるこの新サードユニフォームは、22日に行われたボタフォゴとの試合でデビューを飾った。

シンプルなシャツを発表し、その直後にスポンサーロゴだらけのユニフォームでピッチデビューという流れは、近年のコリンチャンスではお約束の展開となっている。

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伝説のソクラテスに敬意をささげた新ユニフォームは、クラブ公式ストアやNikeオンラインストア他で販売中。ユニフォームのみならず関連ウェアも好評だ。

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