ブロックを上下左右自在に操作できる“方向キー”が新しい!新感覚パズルゲーム「PUZZUP AMITOI」開発スタッフインタビュー

NCSOFTが本日9月26日にグローバルリリースしたiOS/Android向けアプリ「PUZZUP AMITOI」。開発室のスタッフに本作の魅力やこだわったポイントをきいた。

本日9月26日に36ヶ国(11言語対応)向けにリリースされたパズルゲーム「PUZZUP AMITOI」。マッチ 3形式のパズルをベースに、ブロックの方向を上下左右に自在に操作することができる点が特徴で、今までのパズルゲームにはなかった戦略性を楽しむことができる。さらに、クランや占領戦といったオンライン要素、どこでも気軽に楽しめるオフラインモードなど、パズルゲームが好きな人の要望に応えた機能が収録されている。

今回、本作を開発したNCSOFTのパズル開発室に所属するテクニカルディレクターのキム・デギュ氏とデザインディレクターのソ・スンホ氏にメールインタビューを行った。

――まずは、簡単に自己紹介をお願いします。

キム氏:こんにちは。パズル開発室のテクニカルディレクター、キム・デギュです。

ソ氏:こんにちは。パズル開発室企画チームでデザインディレクターをしています、ソ・スンホです。お会いできて嬉しいです。

――リリースを迎えていかがですか?

キム氏:パズルが好きな日本のプレイヤーの方々に「PUZZUP AMITOI(以下、PUZZUP)」」を遊んでいただけることを大変嬉しく思います。従来のマッチ3パズルゲームよりも、さらに弾けた「PUZZUP」のゲーム性がどのように受け入れられるか非常に気になります。

ソ氏:パズル開発室に合流して約2年、本格的に「PUZZUP」の開発を始めてから1年半で、「PUZZUP」をリリースすることになりました。NCで始まる新しい試みに参加することになり感無量です。特にパズルジャンルの関心と人気が高い日本にもリリースすることができ、とても嬉しく思いますし、日本の皆さんが「PUZZUP」を好きになってくれたらさらに嬉しいです。

――NCの「ジャンル多角化」第1弾としてリリースされる「PUZZUP」に対する情熱とこだわりについて教えてください。

キム氏:「PUZZUP」の開発前から、さまざまなパズルゲームの開発に携わり、たくさんのパズルゲームをプレイしてきました。「PUZZUP」は、これまでのどのゲームでも見ることがなかった「PUZZUP」ならではの個性的な面白さを持っています。

方向キーをベースにした新しい面白さが挙げられますが、「このポイントはきっと新しい面白さを見せてくれる」という確信があったので、ここまで開発を続けることができました。

どの様な状況でもリアルタイムで操作が反映され、ポンポン弾けるパズルの爽快感を与えるというプロジェクトコンセプトを具現化するために、気を使わなければならないことも多かったです。

上下左右自在にブロックのドロップ方向を変えられる方向キーを実装しました。よりスムーズな操作感のためにブロックが移動する間も、方向キーの操作を可能にする「リアルタイム操作機能」のために、フレームごとのブロックの状態処理に力を入れました。

またグローバルリリースにあたり、各国のプレイヤーがゲームを楽しめるようにするために、リソースの軽量化と最適化にも注力しました。

ソ氏:個人的にはNCが開発するゲームが大好きで、楽しんでプレイしていますが、母に勧めるにはNCのゲームは少し難しく、複雑です。また、小学校に通っている甥っ子から「おじさんが作るゲームをプレイしたい!」と言われた時に、勧めることができませんでした。長いといえば長く、短いといえば短い時間、ゲームの開発に携わっていますが、家族と一緒に楽しめるゲームを創りたいという気持ちが強くなり、チームに合流することになりました。

意図したことではありませんが、NCの「ジャンル多角化」の尖兵になりました。「PUZZUP」が成功裏に終われるよう、尽力したいと思います。

――上下左右、ブロックの方向を自由に操作できる「方向キー」のアイデアはどのように生まれたのでしょうか?

ソ氏:NCでは過去に「アラミ・パズベンチャー」というゲームをリリースしたことがあり、IPの母体となるゲームの開発チームに私も参加していたので、これも何かの縁のように感じます。

方向キーを活用したパズルプレイの構想は「アラミ・パズベンチャー」から「PUZZUP」まで、NC内部で絶えず検証され、開発が続いていました。

キム氏:移動方向を自由に変更できることで、ブロックの移動やマッチ部分で予期せぬ不具合が発生したこともあります。この予測が困難な状況に対応するために、開発初期段階ではすべてのケースをリスト化し、検証をすすめる方法で開発を進行しようとしました。

しかし、一方向にのみブロックが移動するパズルゲームに比べ、考慮すべき状況が4倍、つまり、不具合が発生する確率も4倍になります。「ブロックタイプ」、「ブロック状態(鎖、氷など)」、「方向」など、多様な変数を考慮して検証するとなると、3,000パターンを越えるリストが出来上がりました。

このような方針では、検証が不可能に近いと判断し、パズルプレイ状況を視覚化する方針にシフトして、開発を進めました。

その後、各パズルスロット、ブロック、方向、ドロップの状況をリアルタイムに画面上で確認しながら、何度もテストを繰り返し、チームメンバーからのフィードバックをもとに修正を行い、目標としていた「方向キー」の動作を実現することができました。

――「クラン」システムと「占領戦」について教えてください。

キム氏:「クラン(ギルド)」システムは、パズルゲームをプレイする方にも認知されているシステムで、仲間と一緒にプレイする楽しみを提供するため、必ず実装したいコンテンツの1つでした。

クランの開発では、オンライン/オフラインコンテンツの区分なく、一緒にプレイする感覚を提供する点に注力しました。特に各国のプレイヤーが同時にプレイする際に、互いに自由に会話ができるよう翻訳機能を実装しました。

「占領戦」は競争が好きで、実力を示したいプレイヤー向けのコンテンツとして開発されました。状況がリアルタイムで変化するコンテンツであるため、初期はtcp/IPソケット通信※を基に同期化する構造で開発しましたが、ネットワーク環境が良好でないプレイヤーはゲームプレイに不便を感じる可能性があるため、イベント毎に発生するhttp通信※時にほとんどのデータを同期するように変更しました。

※tcp/ipソケット通信:クライアントとサーバーの両方からお互いにデータを伝達する双方向通信
※http通信:クライアントからの要求があるときにサーバーが応答する単方向通信

占領戦では、クランの仲間と力を合わせて相手クランと対戦するという、新しい面白さを感じることができると思います。ただし、占領戦は相手との対決を行う際に、ネットワーク接続が必須となります。ぜひ、オンラインモードでお楽しみください。

ソ氏:クランを中心としたコンテンツと占領戦は、PD(プロデューサー)であるイ・チャソンさんとセンター長であるソ・ミンソクさんのアイデアで、私は少し懸念を抱いていたコンテンツでした。シングルプレイが中心となるパズルゲームジャンルにおいて、クランを中心としたグループ間の競争コンテンツがプレイヤーの皆さんに受け入れられるのか、多少懐疑的でした。しかし、プロトタイプ開発後に内部テストをした際にその考えが変わりました。テストでは、私のように競争志向を持たない人も十分に楽しめ、はまるほど面白かったのです。

拠点ごとにパズルのレベルが設定され、各パズルで高い点数を更新すると拠点を占拠できる陣取り方式のゲームなのですが、パズルを利用した間接的な競争なので、ライトながらも妙に勝負欲を刺激する部分があり、つい挑戦し続けてしまいました。クラン間のコンテンツなので、自身の貢献度が確認でき、仲間と協力する楽しさも感じられます。方向キーとともに「PUZZUP」の特徴の一つですので、ぜひ一度お楽しみください。

――オフラインでのプレイはいかがでしょうか?

ソ氏:パズルゲームをプレイされている方はご存知だと思いますが、オフラインでのプレイをサポートするのはグローバルパズルゲームのスタンダードな仕様だと言えます。しかし、「PUZZUP」は、先ほどお話した「占領戦」など、プレイヤー間に相互影響を与える競争要素が多く存在しているため、セキュリティ面や安定性を重視するNCの方針のもと、「オフラインプレイ」関連の開発に力を入れました。この部分はキム・デギュさんが詳しく説明してくれると思います。

他のプレイヤーとの競争や、相互影響を与えるコンテンツはオンラインでのプレイを提供し、個人でプレイする部分は円滑なプレイができるよう最大限調整を行い、オフラインプレイを提供しています。

キム氏:「PUZZUP」は、クランの仲間と一緒に楽しむ「占領戦」などのオンラインコンテンツと、1人でいつでもどこででも楽しめるオフラインコンテンツ、2つの楽しみの提供を目指しています。そのため、ネットワーク環境が良好でない場合や、予期せぬ状況でも円滑なゲームプレイを提供するという目標の実現のためにオフラインプレイをプロジェクト初期から必須の開発項目に選定し、これまで試行錯誤を重ね、開発を続けてきました。

もちろん困難も多く、開発は容易ではありませんでした。オンラインとオフラインが切り替わる際の処理や、ネットワーク接続有無の持続的な確認に関する開発は簡単ではありませんでしたが、最も困難を極めたのは、最初にオフラインモードでの実装を目指したコンテンツが、安定性を考慮しオンラインコンテンツに変更されるケースでした。サーバーで検証し、ロジックを処理するように再開発を行わなければならない状況が頻繁に発生しましたが、現在は安定した状態で実装できており、ネットワークが良好でない状況でも楽しんでいただけると思います。

――最後に日本のプレイヤーへメッセージをお願いします。

キム氏:もし、スマートフォンの発熱がひどいと感じたり、不具合を発見したら、すぐにお知らせください! 迅速に対応するように心がけます。日本のプレイヤーの皆さんにとって、楽しい「PUZZUP」プレイ体験をお届けできれば幸いです。

ソ氏:「PUZZUP」をゲーム強国であり、パズル強国でもある日本でリリースできたこと、また日本のゲームメディアにインタビューまで掲載していただけたことを、とても嬉しく思います。「PUZZUP」を日本の皆さんにたくさん愛していただけると嬉しいです。ブロックの方向転換機能や、占領戦など、さまざまなコンテンツをぜひお楽しみください。

これからのNCの新しいNEXT WAVEをぜひ見守ってください!今回、私たちの「PUZZUP」が先陣を切りましたが、今後も続々とすごいゲームが出る予定なので、楽しみにしていてください。

――ありがとうございました。

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