学生が学食メニュー提供 金大、規格外の野菜活用

試食会で出されたわこころの料理=金沢未来のまち創造館

  ●10月から角間キャンパス 金沢市の創業支援制度使い

 金大の学生が10月から、同大の学生食堂で料理を提供する。起業チャレンジプロジェクトとして出店し、金沢市が創設した飲食店の創業支援制度も活用して経営ノウハウを学ぶ狙い。メニューは規格外の野菜を使ったスープなどを予定しており、学食を利用する学生に食品ロスの問題について理解を深めてもらう機会にもしたい考えだ。

 金大の学食で料理を提供するのは、同大人間社会学域国際学類4年の鳳わこさん(22)、凰えこさん(21)でつくる学生チーム「わこころ」。約3年前から規格外野菜を活用したスープの販売活動などに取り組んでおり、金大側に学食での料理提供を働き掛けていた。

 「ころころ食堂」と銘打ち、角間キャンパスに出店する。スープのほか、ご飯とおかずを作り、平日に1日50食を提供する予定となっている。

 チームが活用する飲食店創業支援事業は、金沢未来のまち創造館で食の価値向上を目指す「金沢食藝(しょくげい)研究所」と、起業支援を手掛ける「TENJO KANAZAWA」に市が委託しており、「わこころ」へのサポートは第1弾となる。飲食店の創業に向け、メニュー開発や事業計画作成、テスト販売などの支援を基本的に無償で行っている。

 26日には、未来のまち創造館でわこころの料理の試食会が開かれ、関係者がスープなどを味わった。わこころは近く創業する計画で、凰さんは「初めての経験で分からないことも多く、市の創業支援は心強い。さまざまなことを学ぶ場にしたい」と話した。

  ●新食堂2日オープン

 金大は10月2日、角間キャンパスに就労支援型の新食堂をオープンさせる。大学と包括連携協定を結ぶ社会福祉法人佛子園が運営し、店内の接客、調理補助を障害者が担う。

 中福利施設1階に「ナカフクリ食堂」として開設し、カレー、ラーメン、うどんなど県内で展開する6ブランドのメニューを提供する。

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