北朝鮮、処理水海洋放出を批判 国連演説「取り返しつかぬ損害」

26日、米ニューヨークでの国連総会一般討論で演説する北朝鮮の金星国連大使(共同)

 【ニューヨーク共同】北朝鮮の金星国連大使は26日、国連総会の一般討論で演説し、東京電力福島第1原発処理水の海洋放出が「人類の安全と海洋環境に取り返しのつかない損害を与える」と述べ、岸田政権を批判した。安全保障理事会が北朝鮮の軍事偵察衛星の発射や人権状況を問題視する一方、日本の処理水放出には沈黙していると不満を表明した。

 「一部の安保理常任理事国は無責任に処理水放出をけしかけている」と主張し、米国などの容認姿勢を非難した。「欧米主導の理不尽なメンバー構成の安保理を改革することが不可欠だ」と訴えた。

 米国と韓国が核戦略を定期的に話し合う核協議グループ(NCG)の発足や、米軍の戦略原子力潜水艦の韓国入港に触れ「朝鮮半島は核戦争の危険が差し迫った一触即発の状況にある」と主張した。「北朝鮮は防衛力強化を加速させる必要に迫られている」と述べ、核・ミサイル開発を正当化した。

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