地元米で新酒造り挑戦 林酒造場(朝日)の杜氏と生産者タッグ、地産地消で知名度アップ

酒造りへタッグを組んだ林さん(左)と稲葉さん

 林酒造場(富山県朝日町境)の15代目で、県内最年少杜氏(とうじ)として知られる林秀樹さん(35)と、町内の農業法人に勤める稲葉大地さん(38)がタッグを組み、新たに酒造りに乗り出す。2人は小学生時代からの知り合い。稲葉さんが今年初めて栽培した酒米で、林さんが酒を仕込む計画だ。2人は「誰もやっていないことに挑戦し、朝日の知名度アップにつなげたい」と意気込んでいる。

 林さんと稲葉さんはいずれも朝日町境で育った。稲葉さんは農業生産法人・アグリあさひ野(同町月山)に勤務。林さんが仕込んだフルーティーで飲みやすい日本酒を気に入っており、「県東部でほとんど栽培されていない酒米を作り、林さんが新酒を手がければ地元を盛り上げられるのではないか」と発案した。2人は現在、青年団活動で行動を共にしていることもあり、話を持ちかけたところ、意気投合した。

 稲葉さんが手がけたのは「五百万石」。月山地区の田んぼで約40アール栽培した。8月に収穫作業を終え、コメを検査中だ。猛暑の影響が懸念されたものの、品質に問題はないという。

 林さんはこの酒米を使って限定酒を仕込む。これまで金沢国税局酒類鑑評会で9年連続優等賞を受けるなど受賞歴も多く、「地元のコメと水を使うことで若い世代にも日本酒に関心を持ってもらいたい」と期待する。新酒は来年2月ごろ完成する予定で、地元の飲食店でのお披露目会も考えている。

 2人は「地産地消に貢献し、地元を盛り上げたい」と話している。

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