裏の顔には要注意! 新妖怪「喰わず女房」が登場、食べられるかも… 兵庫・福崎の名物ベンチ21基目

喰わず女房の妖怪ベンチ。かわいいと思いきや…=兵庫県福崎町西田原

 正面から見るときれいな女性。天を仰ぐようにして腰をかけているが、後ろに回ると大きな口が開いていて…。妖怪を用いた町おこしに取り組む兵庫県福崎町に今月、新たな妖怪人形「喰(く)わず女房」のベンチが登場した。辻川観光交流センター(同町西田原)の前で観光客を迎える。(喜田美咲)

 町内の商業施設前などに設置された妖怪ベンチの21基目。同町出身の民俗学者柳田国男の著書「妖怪談義」を参考に妖怪を選び、町が作成している。

 飯を食べないのによく働く女房だと思っていたら、家の米がどんどん減っていく。不思議に思い女房が1人の時にこっそりのぞくと、頭に隠してあった口に次々とにぎり飯を放り込んでいた-。喰わず女房にはそんな言い伝えがあり、ベンチでも人形の裏側にはにぎり飯を詰め込もうとする大きな口がある。人間も食べてしまいそうな迫力だ。

 ロードバイクで妖怪ベンチを巡るのが趣味という男性(50)=同町=は、新しいベンチの登場を知って早速、写真を撮りに訪れた。「女性の裏表を表現しているようで、面白さとリアルさのバランスがいい」と感心していた。

 また同センター内には、井戸から顔を出す同町非公認キャラクター、カッパのガジロウが新たに置かれた。辻川山公園(同町西田原)の池で稼働するガジロウが更新され、役目を終えたため活用した。頭の皿をなでることができ、「カッパワー(勝つパワー)」としてパワースポットとなることを目指している。

■ガジロウとガジ子 一日警察署長に

 秋の全国交通安全運動(21~30日)に合わせて福崎署は、福崎町の非公認キャラクターガジロウと、妹ガジ子こと漫才コンビ「アルミカン」の赤阪侑子さんを一日警察署長に任命した。制服と制帽を身に着け、街頭で「運転手も歩行者も交通ルールを守って」と呼びかけた。

 神崎郡内では2023年1~8月、死亡事故2件を含む72件の交通事故が発生した。

 ガジロウと赤阪さんは21日、一日警察署長に任命され、署員の服装や持ち物を確認する「通常点検」を実施。署員の手錠や警棒の扱い方を確認した赤阪さんは「町民と妖怪の安心のため、頑張る皆さんへカッパワーを送ります」と激励した。その後、もちむぎのやかた(同町西田原)前で飲酒運転の根絶や詐欺被害防止、自転車でのヘルメット着用を呼びかけるチラシ200部を配布した。

 ガジロウは一日署長に任命されたことについて「これまで町の安全を守ってきたから、まあ、当然やな。敬礼が疲れたわ」と話した。(喜田美咲)

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