「セントピアあわら」でレジオネラ菌検出 感染するとどうなる? 症状は?

 福井県あわら市の温泉施設「セントピアあわら」で基準値の2300倍のレジオネラ属菌が検出されたと発表された。同市によると現時点で利用者の健康被害の報告はないが、感染するとどのような症状が出るのか。厚生労働省のホームページを基にまとめた。

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感染するとどうなる?

 レジオネラ属菌とは、自然界に生息している細菌で、感染するとレジオネラ症を引き起こす。レジオネラ症は重症の肺炎を引き起こす「レジオネラ肺炎(在郷軍人病)」と、一過性で自然に改善する「ポンティアック熱」が知られている。

潜伏期間、症状は?

 レジオネラ症の潜伏期間は2日~10日。レジオネラ肺炎は、全身倦怠感、頭痛、食欲不振、筋肉痛などの症状に始まり、咳や38℃以上の高熱、寒気、胸痛、呼吸困難が見られるようになる。まれに、心筋炎などの肺以外の症状が起こることもあり、意識レベルの低下、幻覚、手足が震えるなどの中枢神経系の症状や、下痢がみられるのもレジオネラ肺炎の特徴。軽症例もあるものの、適切な治療がなされなかった場合には急速に症状が進行することがあり、命にかかわることもある。

 これに対して、ポンティアック熱は、突然の発熱、悪寒、筋肉痛などの症状がみられるが、それらは一過性のもので、自然に治癒するという。

治療は、どのような人が危険性が高い?

 レジオネラ肺炎はレジオネラ属菌による細菌感染症なので、マクロライド系、ニューキノロン系やリファンピシン等の抗菌薬で治療することができ、早期診断、早期治療が重要。高齢者や新生児は肺炎を起こす危険性が通常より高いので、注意が必要。また、大酒家、喫煙者、透析患者、移植患者や免疫機能が低下している人は、レジオネラ肺炎のリスクが高いとされている。

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