神社もデジタル化 和歌山の熊野速玉大社に電子看板、外国人客に対応

熊野速玉大社の境内に設置された、インバウンド対応も想定した電子看板(和歌山県新宮市で)

 和歌山県新宮市の世界遺産・熊野速玉大社の境内に「神社ナビタ」というデジタルサイネージ(電子看板)が設置された。増加するインバウンド(訪日外国人客)にも参拝方法などを分かりやすく伝えられるよう英語表記にも対応。紀南地方の神社での導入は初めてという。

 神社ナビタは総合広告代理業「表示灯」(本社・名古屋市、東京都)が文化・社会貢献事業として、スポンサーを集めながら費用を負担して全国各地の神社での設置を進めている。今回の速玉大社で125カ所目。県内では伊太祁曽神社(和歌山市)に次いで2カ所目で、熊野三山に設置を提案していたという。

 大きさは高さ約2.3メートル、幅約2.6メートル。向かって左側に49インチの液晶モニターがあり、右側には速玉大社周辺を案内する地図とこの事業に協賛した地元29事業者の広告を掲示している。

 タッチ機能に対応したモニターでは「神道とは?」「境内案内」「参拝方法」「祭事情報」といった項目を選択することができ、拝礼や手水の作法などを日本語と英語で分かりやすく解説している。

 速玉大社でこのほど、関係者が参列し、神宝館横に設置された神社ナビタの竣工(しゅんこう)清め祓(はら)い式があった。同社の浅野正臣執行役員(39)は「各都道府県を代表するような神社にご案内しており、増加するインバウンドへの対応の一環として評価いただき、最近、導入事例が増えている」と話し、上野潤権宮司(43)は「素晴らしいデジタルサイネージを奉納いただき誠にありがとうございます。来年は世界遺産登録20周年を迎えるが、インバウンドの方々にも有意義に活用いただけたらと期待している」と感謝した。

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