鈴木杏、「大奥 Season2」“医療編”での平賀源内役にプレッシャーも「演じていてすごく楽しかったです」

NHK総合で10月3日スタートするドラマ10「大奥 Season2」(火曜午後10:00)“医療編”に平賀源内役で出演する鈴木杏が、キャラクターへの思いや作品の魅力について語った。

「大奥」の原作は、3代将軍・徳川家光の時代から幕末・大政奉還にいたるまで、男女が逆転した江戸パラレルワールドを描いてセンセーションを巻き起こしたよしながふみ氏によるコミック。ジェンダー、権力、病など、現代社会が直面する課題を大胆な世界観で鮮やかに描いたこの傑作コミックを基に、森下佳子氏が脚本を担当。NHKでは、3代・家光から8代・吉宗までの物語をドラマ化し、「ドラマ10」枠で今年の1月期に放送された。

そして、Season2は、吉宗の遺志を継いだ蘭方医たちが、男性だけに感染する謎の疫病・赤面疱瘡(あかづらほうそう)の撲滅に立ち向かう姿とその後の物語を描く「医療編」、女将軍をはじめとした幕府の人々が“江戸城無血開城”のために奔走した幕末・大政奉還の物語を描く「幕末編」の2部構成で映像化。“医療編”には、鈴木のほか、黒木役で玉置玲央、青沼役で村雨辰剛、田沼意次役で松下奈緒、一橋治済役で仲間由紀恵が出演する。

鈴木演じる源内は、新進気鋭の本草学者。本草の研究、博物の学問のほか、読本作家なども手掛ける奇才だ。弟が赤面疱瘡で亡くなったことをきっかけに、武家の跡を継がずに男装して遊学する。慕っている田沼の命によって青沼を大奥へと誘い、共に赤面疱瘡の解明に動く。

序盤のキーパーソンとなる源内役を演じるにあたり、「プレッシャーがあった」という鈴木。「最初は源内が登場するパートだけを読んでいたのですが、だんだんほかのエピソードも気になって全編を通して読んだら、すごく面白かったんです。もし出演のオファーをいただく前に読んでいたら、恐れ多くて『やります』とは言えなかったかもしれません。とりわけ、源内は人気のあるキャラクター。身長も高そうで男性的な顔立ちをしているので、私の容姿とはだいぶ違います。原作ファンの方に受け入れてもらえるだろうかというプレッシャーはありました」と率直な心境を明かし、「でも、髪形やメーク、衣装などを担当するスタッフの方が創意工夫を凝らしドラマ版ならではの源内像を一生懸命作り上げてくださって、とても心強かったです」と周囲のサポートに感謝する。

本作で描かれる源内の魅力については、「原作の魅力に加え、森下佳子さんの脚本がまた素晴らしいんです。物語全体に躍動感があって、源内のキャラクターがより生き生きと描かれているので、演じていてすごく楽しかったです」と声を弾ませ、「きっと、森下さんご自身も書いていて楽しんでいらっしゃったのではないでしょうか。源内は、権力に迎合したり周囲の評価を気にしたりすることなく、ひたすら本草学と赤面の研究にまい進します。好奇心や探究心のためだけに猪突猛進(ちょとつもうしん)するその姿は実に純粋で魅力的。早口でまくしたてるように話すところや、しゃべり始めたら止まらないところに、源内の明るさやチャーミングさが表れていると思うので、できるだけその個性が生きるように意識して演じました」と、意欲的に臨んだことをうかがわせる。

青沼役の村雨に関しては、「時代劇のセリフは、日本で生まれ育った私でさえ難しいと感じる言葉が多いのに、村雨さんがしっかり自分のものにして演じられていて感動しました。大変な部分もあったと思いますが、村雨さんは本当に穏やかな方で、現場がピリピリした空気になることはありませんでした。みんなが村雨さんを応援しているような一体感が生まれて、それが現場のチームワークにもつながったような気がします。原作の青沼は無骨な印象のキャラクターですが、村雨さんが演じられることで、柔らかで心優しい新たな青沼像になったと思います」と、村雨の存在が作品にいい効果をもたらしていたことを報告。

また、意次役の松下との共演には、「松下さんは、声のトーンや言葉の端々に知性がにじみ出ていて、意次というキャラクターに圧倒的な説得力を持たせられる方。源内は、ある意味、意次さんにほれているというか、憧れに近い感情を抱いているのですが、そこにも説得力を感じて。『もう、どこまでもついていきます!』という気持ちになるくらいすてきでした(笑)。ご一緒できて光栄です」と喜びを伝えた。

Season2の見どころと注目ポイントを尋ねると、「Season1は、将軍を巡る権力やお世継ぎの問題などを軸に物語が展開していきましたが、Season2の“医療編”のメインテーマは、ズバリ赤面疱瘡の撲滅。ほかのパートとはカラーが異なっていて、青春群像劇の要素が色濃く描かれています。源内たちが赤面に立ち向かっていくワクワク感、高揚感は、Season2ならではの魅力だと思います」と解説。

さらに、「後半の“幕末編”では、江戸城無血開城に向けて奔走する大奥の人々の姿が描かれるのですが、全く別の作品に見えるくらいカラーも登場人物もガラッと変わリます。シリアスな場面も増えてきますので、ドキドキ感を味わえると思いますし、私も原作を読んでいて “医療編”から“幕末編”にかけての濃密さがすごく好きだったので、ドラマではどういう形で描かれていくのか、今から放送が楽しみです。まだ『大奥』を視聴されたことがない方にも十分楽しんでいただけると思いますので、ぜひご覧ください」とアピールしている。

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