[海中観撮@新潟佐渡市小木琴浦編]水深24メートルで祈りをささげる「幸福地蔵」、とにかく神秘的な「青の洞窟」、つぶらな瞳に見つめられ…ダイビング[動画あり]

 暖流と寒流がぶつかる新潟県佐渡市の海は、四季を通じてさまざまな生物を観察できる国内屈指のダイビングスポットです。語り尽くせぬ佐渡の海の魅力を、写真と動画で紹介します!=佐渡総局・山田史織(写真・動画の撮影、イラストも)=

 海水浴シーズンが終わりを告げる9月以降も、ダイビングの旬はまだまだ続きます。9月中旬、ダイナミックな地形や海中にある「幸福地蔵」でダイバーにおなじみの佐渡市小木琴浦の海に潜りました。

 幸福地蔵は水深約24メートル地点にあります。30年以上前、海の安全を願って安置されて以来、多くのダイバーを見守り続けています。さい銭を持って潜る人もいるそうです。青い海の中、お地蔵さまが静かにたたずむ光景は、言葉では表現できないほど神秘的でした。

 幸福地蔵の周辺は「青の洞窟」 で知られる竜王洞をはじめ、地上も海中も溶岩でできた独特の地形が面白いです。幸福地蔵の少し先へ進むと、薄暗い洞窟を発見。入ってみると、中には魚がたくさんいて驚きました。

 少し離れたポイントでは、つぶらな瞳でこちらを見つめる、親指くらいの小さな生物を見つけました。海底の穴に巣をつくるアゴアマダイ科の魚で、英名は「ジョーフィッシュ」。運が良ければ穴から飛び出す姿や、繁殖期には雄が口の中で卵を育てる光景を観察できるそうです。

 小木周辺の海域には、対馬暖流が佐渡島内で最初に流れ込みます。そのため、奄美諸島や沖縄など暖かい海を好むジョーフィッシュも生息できると考えられています。暖流の影響か、お地蔵さまやジョーフィッシュに見守られたおかげか、「温かい海」だと感じました。

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