「藤井聡太七冠の強い終盤力が出ない展開に持ち込んでいる」永瀬拓矢王座に挑む王座戦第3局 八冠独占なるか 杉本師匠の分析は

前人未到の八冠独占に王手をかけるか。将棋の藤井聡太七冠が永瀬拓矢王座に挑戦する、王座戦の第3局が名古屋で行われ、会場のホテルは大いに盛り上がっています。

愛知県瀬戸市出身の藤井聡太七冠が、前人未到の将棋の8大タイトル独占か。それとも、迎え撃つ永瀬拓矢王座が史上3人目となる「名誉王座」を獲得か。共に偉業達成をかけた王座戦五番勝負の第3局が名古屋のマリオットアソシアホテルで行われています。

(立会人)
「藤井竜王・名人の先手でお願いします」

先手の藤井七冠はいつも通りお茶を一口飲み、初手を指しました。先に3勝すればタイトルを獲得する王座戦。両者ここまで1勝1敗のタイで、27日に勝った方がタイトルに王手をかける正念場です。藤井七冠の地元・愛知での開催とあって…

(20代男性)
「(将棋は)あまり見る機会はないんですけど、合間に食べるご飯も話題になると思うので、そこも注目。頑張ってほしいと思う」

(30代男性)
「(藤井七冠は)地元のヒーローなので期待したい」

(40代女性)
「近所の人と話していても(藤井七冠は)話題は出る。頑張ってほしいねと話しています」

大盤解説会の会場も、多くの将棋ファンの熱気に包まれています。

(女性ファン)
「(地元開催はどうですか?)やっぱり熱が入る」

(男性ファン)
「とても嬉しい。将棋ファンとしても名古屋市民としても嬉しい。どんどんこれから盛り上げていってほしい。(きょう仕事は?)休暇をとってきました」

杉本師匠の分析「追い込まれてからの藤井七冠もまた強い」

全国から注目される王座戦。藤井七冠の師匠、杉本昌隆八段を大石アンカーマンが直撃しました!

(杉本昌隆八段)
「やはり地元で指せるというのは、棋士にとって大きな喜び。藤井七冠も特別な思いがあると思う」

(Q. 地元対局のメリットは?)
「タイトル戦の場合は前日に(会場に)入らないといけないが、きのう(26日)の夜なら忘れ物をしたら一回家に取りに帰ることも一応可能だし、終わった後も楽でしょうし。地元はファンが多い。これは大きい(メリット)」

杉本八段はこれまで2人に名古屋での練習対局の場を提供し、切磋琢磨する姿を長年見守ってきました。

(杉本昌隆八段)
「ここまで1勝1敗というのは、両者持ち味を出している気がする。さすがに永瀬王座は藤井七冠の棋風を熟知している」

(大石アンカーマン)
「ここまではどっちが有利?」

(杉本昌隆八段)
「星(勝敗)の上では1勝1敗だが、永瀬王座が藤井七冠の強いところを出させないような展開に持ち込んでいる。藤井七冠が得意な展開というか、強い終盤力が出ない展開に持ち込んでいる。藤井七冠の先手番はびっくりするほど強いので、大きな期待はできる」

(大石アンカーマン)
「永瀬王座が勝ったらどうなる?」

(杉本昌隆八段)
「当然ながら星の上では藤井七冠は追い込まれる。今まで誰もみたことがない、先に追い込まれる藤井七冠を。ただ追い込まれてからの藤井七冠もまた強いのでそれはそれでまた面白い展開になる」

そして、対局とともに注目される「勝負めし」。藤井七冠の27日の昼食はあいち牛のハヤシライスに、名古屋コーチンの卵で作ったオムレツをのせたもの。地元の食材尽くしです!

一方の永瀬王座は「三河一色産うなぎのひつまぶし御膳」。王道の名古屋めしに、フルーツの盛り合わせを注文しました。王座戦第3局は27日夜には決着する見込みです。

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