カテーテル治療で複数死亡 被害弁護団が発足、遺族救済や独自調査 神戸徳洲会病院の問題で

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 神戸徳洲会病院(神戸市垂水区)で循環器内科の男性医師が携わったカテーテル治療の後、複数の患者が死亡したとされる問題で、遺族や患者の支援や救済を目的として、兵庫県弁護士会所属の弁護士14人が被害弁護団を結成したことが27日、分かった。相談に基づき、同病院に対し、真相究明のための調査や再発防止策を求めるという。

 同病院を巡っては、今年1月に赴任した男性医師のカテーテル治療や検査で少なくとも5人が死亡したなどと訴える告発文が神戸市などに届いた。同市は病院への立ち入り検査を3度実施。8月末、患者の死因を適切に調査しなかったなどとして病院に文書指導を行った。

 一方、病院は7月、カテーテル処置を中止。死亡事例のうち、院内の医療安全担当から報告を受けていた2件は、国の医療事故調査制度に基づき、外部の専門家を交えて検証している。

 被害弁護団は8月31日に結成され、相談が寄せられている。同病院でカテーテル処置を受けた患者やその遺族を対象に、寄せられた相談をもとにカルテを請求して経緯を確かめ、第三者の意見を聞いて独自に検証するという。弁護団事務局長の小野郁美弁護士は「死亡事例に限らず、処置を受けて容態が悪化したケースや、その後良くなったケースも含める。まずは相談してほしい」と話している。

 相談は、くすのき法律事務所TEL078.371.5617(平日の午前9時~正午、午後1~5時)で受け付ける。(勝浦美香)

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