袴田さん再審の三者協議 初公判日程など決まる見込み 静岡地裁

袴田巌さんの再審=裁判のやり直しをめぐり、静岡地裁で検察、弁護団を交えた三者協議が行われています。27日の協議では、初公判の日程などが決定するとみられ注目が集まっています。

(勝俣 宜彦 記者)

「最後の三者協議に向け、ひで子さんや袴田さんの弁護団、支援者らが静岡地裁に入っていきます」

袴田さんの無罪を訴える横断幕を掲げ、6回目となる三者協議に向かう弁護団ら。

1966年、旧清水市でみそ製造会社の一家4人を殺害したとして、死刑が確定した現在87歳の袴田巌さん。

2023年3月、東京高裁は有罪の決め手となった犯行着衣とされている「5点の衣類」について、「1年以上味噌に漬かった衣類に付着した血痕に赤みは残らない」とする弁護側の主張を認め、再審が確定しました。

現在は再審のスケジュールなどを話し合う協議が、裁判所・弁護団・検察の3者で進められています。これまでの協議で、検察側は、袴田さんの有罪を主張する方針を示していて、「血液の赤みは消える」と指摘された「5点の衣類」について、「赤みが残る可能性がある」とする法医学者7人の鑑定書を新証拠として請求しています。一方、弁護団も検察に反論するかたちで、法医学者の意見書を新証拠として提出する方針で、検察側、弁護側ともに専門家の証人尋問を請求する方針だということです。

裁判所は、前回の三者協議で、あわせて12回の再審の公判日程の候補日を示していて、27日の協議では、初公判の日程や検察側と弁護団が請求する方針の証人尋問の専門家が決定するとみられています。また、裁判所は、袴田巌さんの再審裁判への出廷について「強制的に出廷させることは考えていない」としていますが、最終的には公判の直前に決める方針です。

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