医師の働き方改革へ、兵庫県がプロジェクトチーム設置 県立5病院の違法残業、要因分析

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 兵庫県立の5病院が医師に違法な時間外労働(残業)をさせたとして、労働基準監督署から是正勧告を受けた問題で、斎藤元彦知事は27日、県病院局に対し、医師の働き方改革に向けたプロジェクトチーム(PT)を設置するよう指示したことを明らかにした。

 違法残業は神戸新聞社の情報公開請求で分かった。2018年度以降の状況を調べた結果、労使協定に基づく時間外労働の上限が月150時間だった県災害医療センターと西宮病院では、計4人が152~190時間残業。上限が月99時間だった尼崎総合医療センター、加古川医療センター、淡路医療センターでは計7人が100~128時間の残業をしていた。

 斎藤知事は同日の県議会本会議で、今回の問題を踏まえた北野実議員(自民党)の質問に対し「県民に心配をかけ、医師にも負担をかけている」と陳謝。PTで時間外労働の要因を分析するとともに、「医師以外の職種に仕事をシフトすることや、デジタルトランスフォーメーション(DX)による業務効率化」を検討する考えを示した。

 PTは関係職員で構成する。必要に応じて専門家や現場からも意見を聞き取り、医師の残業時間の上限規制が始まる来年4月までに結果を取りまとめる。(田中陽一)

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