町民憲章の看板塗りつぶし 懲役1年6か月求刑 デザイナーの男「もっと大人にならないと」と反省=静岡地裁下田支部

2023年5月、静岡県南伊豆町の町民憲章が書かれた鉄塔を青く塗りつぶしたとして、器物損壊の罪に問われているデザイナーの男の第2回公判が9月27日、静岡地裁下田支部で開かれました。

【写真を見る】町民憲章の看板塗りつぶし 懲役1年6か月求刑 デザイナーの男「もっと大人にならないと」と反省=静岡地裁下田支部

検察側は「執行猶予中の犯行で、再犯の可能性は高い」などとして、懲役1年6か月を求刑。弁護側は「家族の保護があり、再犯防止が期待できる」などとして、執行猶予付きの判決を求めました。

器物損壊の罪に問われているのは、南伊豆町のデザイナーの男(79)です。

起訴状によりますと、被告は2023年5月18日から20日の間に、南伊豆町加納にあり、町が所有・管理する看板にスプレー式塗料を吹き付けて汚した罪に問われています。

9月27日に静岡地裁下田支部で開かれた第2回公判では、被告の長女が証人尋問に臨みました。今後の支援を約束するとともに、保釈中の被告について「自分が社会的でないと自覚している。考え方を変えようと思っている」と話し、更生の望みがあるという見方を示しました。

その後の被告人質問で被告は「犯罪行為ではなく、創造行為。ただ、間が悪くて、後悔している。もっと大人にならないと」と反省。犯罪の認識について聞かれると「器物損壊の容疑は分かる。今後は(町の意向に反して)無理やりにはやらない。今回でこりた」と振り返りました。

被告は2021年4月、南伊豆町長選に出馬して落選。同じ2021年に南伊豆町内のモニュメントを汚したとして有罪判決を受けていて、今回は執行猶予中でした。裁判は結審し、判決は10月18日に言い渡されます。

© 静岡放送株式会社