富山市八尾町に主力工場を持つ医薬品原薬製造のアクティブファーマ(東京)が富山県から不適切製造の疑いで調査を受けている問題で、原薬を出荷した複数の医薬品メーカーに対し、調査状況の説明を始めていたことが、関係者への取材で27日分かった。アクティブファーマは、国の承認外の製法で作った原薬の品質に問題がないか再確認を急いでいるという。
アクティブファーマは鎮痛・消炎剤や眼科用剤、血圧降下剤などの原薬を製造する。関係者によると、国の承認外の方法で製造したとみられる原薬は複数あり、大手を含む製薬会社に説明しているという。
同社は違法製造の疑いがある原薬について、承認通りに製造した原薬と品質に違いがないかを分析し、健康被害の可能性もチェックしているとみられる。
大手メーカー広報担当者は、富山新聞社の取材に対し「アクティブファーマに対する調査は認識しているが、他社の事案であり、説明の有無などの回答は控える」と述べた。
●調査実施は「事実」
アクティブファーマ親会社の三谷産業(金沢市)は、富山県による立ち入り調査に関する報道について「(調査実施は)事実であり、現在は当社にて調査を進めている段階」と説明している。
三谷産業は不適切製造の有無に関しては「調査中で答えられない」とし、調査結果が判明次第、適切な対応を講じるとしている。
アクティブファーマは10月1日、子会社の原薬メーカー相模化成工業(東京)と合併し、相模化成工業を解散する。三谷産業の原薬製造事業を担う2社が統合されることになる。