神奈川の相模原いじめ重大事態認定 男児の両親が報道各社に語った思いとは

相模原市役所

 神奈川県相模原市立小学校の低学年の男児がいじめを受けて転校を余儀なくさせられ「重大事態」と認定された問題を巡り、男児の両親が27日、市内で報道各社に思いを語った。昨年6月のいじめ発覚直後から学校と市教育委員会に対応を求めたが、効果的な対策が取られることはなかったと振り返り「学校や教育委員会のいじめに対する施策全般に大きな問題がある」と憤りを口にした。

 いじめは昨年6月に発覚し、同8月に男児はいじめが原因で転校。同9月に学校と市教委が「不登校重大事態」と認定した。

 この日、両親はいじめの調査、重大事態の認定・調査、調査報告書の作成などあらゆる段階で問題があったと語った。

 母親は「いじめ発覚後、本人が告白したいじめの内容を聞き取り、文書化して3回にわたり学校に報告した。しかし、学校は『けんか両成敗』といった不適切な対応でいじめと向き合わなかった」と指摘。

 重大事態の認定に至るまでの経緯も「(息子の)自傷行為や自殺願望について学校と市教委に伝えたが、質問や問い合わせはなかった」「市教委は客観的な根拠がないため『生命心身財産重大事態』に該当しなかったというが、こちらの状況を一切尋ねることなく、認定した」と振り返った。

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