福井県立大学の新キャンパス完成 小浜市に水産資源の先端増養殖研究拠点を整備

福井県立大学「かつみキャンパス」の施設完成を祝い、テープカットする関係者=9月27日、福井県小浜市堅海

 福井県立大学海洋生物資源学部に昨春新設された先端増養殖科学科のメインキャンパスとなる「かつみキャンパス」の研究講義棟と飼育棟が福井県小浜市堅海(かつみ)に完成し、9月27日現地で開設式が行われた。全国初となる水産資源の増養殖に特化した学科の研究拠点が整い、先端研究が本格的にスタートする。

 県立大キャンパスとしては4カ所目。県水産試験場、ふくい水産振興センターが集積した同市内外海(うちとみ)半島の「かつみ水産ベース」に建設した。

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 施設は鉄筋コンクリート2階建ての研究講義棟(延べ床面積1926平方メートル)と、陸上養殖実験ができる鉄骨平屋建ての飼育棟(同772平方メートル)。施設整備費は18億8千万円。

 研究講義棟は講義室や実験室、情報処理解析室を整備、ロビーには地域住民との交流の場となるサロンを設けた。飼育棟にはマサバ、サーモン、トラフグなどの養殖魚を育成する水槽を最大30基設置できるスペースを確保。水質浄化システムを備え陸上養殖試験が行える閉鎖循環水槽2基も設ける予定。

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 県や大学関係者、学生、地域住民ら約100人が出席した開設式で、岩崎行玄学長は「水産増養殖分野は地球全体の資源を考える研究分野としても注目されている。食料生産は国の根幹。生物資源の開発、生産、保全の重要なプレーヤーになる」とあいさつ、テープカットした。

 先端増養殖科学科には現在1年生31人、2年生31人が在籍。1年生は永平寺キャンパスで一般教養を学び、2年生は新キャンパスで実験や演習を通し、増養殖の理論や基礎技術を身につける。

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