亡き妻を葬るため、棺を背負い歩き続ける老人と孫娘 「葬送のカーネーション」公開決定

2022年の東京国際映画祭でアジアの未来部門に出品された、”現代トルコ映画の到達点”と評されているベキル・ビュルビュル監督作「葬送のカーネーション」が、2024年1月12日より劇場公開されることが決まった。

「葬送のカーネーション」は、亡き妻を葬るため、棺(ひつぎ)を背負って歩き続ける老人と孫娘が描き出す現代社会の寓話。年老いたムサは、亡き妻の遺体を故郷の地に埋葬するという約束を守るため、棺とともに旅をしている。紛争の続く場所へ帰りたくない孫娘のハリメは、親を亡くし、仕方なくムサと”棺”とともに歩いていく。故郷への旅の途中、彼らは現実と虚像のはざ間を生きるさまざまな人たちと出会い、神の啓示のような“生きる言葉”を授かりながら、歩き続けてゆく。

監督は、小津安二郎を敬愛し、本作で描かれている”死と旅”というテーマも、数々の小津映画から受け継いだレガシーと語るベキル・ビュルビュル。孫娘ハメリを、シリアで生まれたものの戦争のためトルコに移住したシャム・ゼイダンが演じている。本作が初の演技経験となった、年老いたムサを演じるのは、トルコの映画・舞台・テレビドラマで活躍するデミル・パルスジャン。

公開されたティザービジュアルには、ハメルとムサ、そしてもう一人の家族が眠る棺が、おとぎ話のようなイラストで描かれている。あわせて公開された場面写真では、リアリズムと虚構(ファンタジー)の交差する物語の舞台となる、荒涼とした冬景色のトルコ南東部の景色が切り取られている。

【作品情報】
葬送のカーネーション
2024年1月12日(金)よりヒューマントラストシネマ有楽町、新宿武蔵野館、恵比寿ガーデンシネマ他にて全国順次公開
配給:ラビットハウス
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