100社超に対し保険料調整疑い 損保大手4社、公正な競争阻害

金融庁が入る中央合同庁舎7号館=東京・霞が関

 損害保険大手4社による企業向け保険のカルテル疑惑を巡り、少なくとも計100社超の取引先に対し、事前に保険料を調整したり、不適切な情報交換をしたりした行為が見つかったことが28日、分かった。企業向け保険で4社のシェアは9割を占める。なれ合いが生じ、公正な競争が阻害された可能性がある。4社は調査結果を29日までに金融庁に報告する。

 4社は東京海上日動火災保険、損害保険ジャパン、三井住友海上火災保険、あいおいニッセイ同和損害保険。取引先は鉄道や空港のほか、鉄鋼や石油元売りなどの業界にまたがっており、独禁法に抵触する行為が常態化していたことが鮮明になった。金融庁は4社に保険業法に基づく報告徴求命令を出しており、各社は全ての営業部や支店を対象に調査してきた。

 問題が見つかったのは複数の損保会社で契約を引き受ける「共同保険」だ。工場の火災など事業運営で生じる恐れのあるリスクを複数社で分担し、決められたシェアに応じて保険金を支払う。

 保険料の事前調整は最初に東急グループ向けの火災保険契約で判明した。

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