警察OBが役員務める団体で810万円の使途不明金 元事務員と元役員2人を提訴、福井県安全運転管理者協議会連合会

 一般社団法人・福井県自家用自動車協会の付属機関「県安全運転管理者協議会連合会」の会計に810万円余りの使途不明金があることが分かった。元事務員の女性が2016年から5年半にわたり、不正経理を行っていたとして、連合会は元事務員と当時の専務理事2人の計3人に対し、約810万円の損害賠償を求めて福井地裁に提訴。福井南署に刑事事件として相談している。

 協会と連合会は、福井市西谷1丁目の県自動車会館内の同じ事務所にあり、協会の専務理事や常務理事は県警OBが務めている。連合会の主な業務は、県内の事業所が配置する安全運転管理者の講習。毎年度、入札で県から受託している。

 訴状などによると、元事務員は14年2月から22年3月まで協会に勤務し、経理を担当。少なくとも16年8月から22年1月までの間に、元事務員が管理していた連合会の口座に趣旨不明の出入金が多数確認され、出金が約810万円超過していることが判明した。

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 当時の専務理事2人に対しては、不正経理の未然防止や、不正が明らかになった場合の是正といった職責を怠り、連合会に損害を与えたと指摘している。

 一方で元事務員は、会計監査前に当時の専務理事に求められ使途不明金を不当に穴埋めさせられたとして昨年、協会と連合会に対し約1230万円の返還を求める訴訟を福井地裁に起こした。出金は当時の専務理事の指示で行い、祝い金など領収書が残せないものに流用されたため、使途不明金が発生したと主張している。

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