作新11連覇、投打に底力 軟式野球秋季栃木県大会 夏の悔しさ糧に関東へ 白鴎大足利に5-0

六回、作新の岩岡が右前適時打を放つ=県営本球場

 第64回秋季関東高校軟式野球大会県大会最終日は27日、県営本球場で決勝を行い、作新学院が5-0で白鴎大足利を下し、11年連続48度目の栄冠を手にした。

 作新学院は六回、無死一、三塁からの内野ゴロと岩岡裕也(いわおかゆうや)の右前適時打で2点を先制。七回にも北田大起(きただまさかず)主将と新井絢斗(あらいけんと)の連続適時打で2点を追加した。さらに八回には大沼鼓虎(おおぬまことら)の左犠飛で試合を決定づけた。

 白鴎大足利は先発の秩父啓斗(ちちぶひろと)が走者を許しながらも、五回までは無失点で抑えた。しかし六回以降は守備の連係が乱れる場面もあり、作新学院に突き放された。前日の1回戦で23得点と爆発した打線はこの日は1安打のみと振るわなかった。

 作新学院と白鴎大足利は、10月24日から埼玉県で行われる関東大会に出場する。

夏の悔しさ糧に関東へ

 敗戦の悔しさを身をもって知る選手たちの新たな挑戦が始まった。

 作新学院が後半に得点を重ねて11連覇を達成。黒川陽介(くろかわようすけ)監督は「体調不良者が出て満足に練習試合ができていなかったが、選手たちが危機感を持ってやってくれた」と及第点を与えた。

 五回までは的を絞り切れず内野フライを打ち上げる場面が目立ち、サインミスで好機をつぶした。相手に流れを明け渡しかねない展開だったが、五回終了後のグラウンド整備中に「甘く入ったストライクを1球で仕留めよう」(北田大起(きただまさかず)主将)とチームで意識を共有。直後の六回、ようやく打線が機能した。走塁でも七回、内野ゴロの間に二走の増山怜紗(ましやまれざ)が本塁を陥れる隙のなさを見せた。黒川監督は「積極的に狙う姿勢を出してくれた」と評価した。

 北田主将らこの日の先発6人は約2カ月前、3大会ぶりに全国切符を逃した北関東大会決勝にも出場。当時からマスクをかぶる岩岡裕也(いわおかゆうや)は「今でも夢を見る」。北田主将は「1球の厳しさを知った。自分たちの糧にしないといけない」と強調する。

 関東大会は2連覇中。北田主将は「全体的に課題は多いが、しっかりと優勝という結果を出す」と言い切る。夏の悔しさを晴らすため、最初の関門に挑む。

優勝した作新

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