米海軍原子力空母ロナルド・レーガン、異例の7度目の横須賀基地出港延期 艦内設備の不具合が原因か

By Kosuke Takahashi

米海軍原子力空母「ロナルド・レーガン」(高橋浩祐撮影)

28日午前に予定されていた米海軍横須賀基地(横須賀市)に配備されている原子力空母ロナルド・レーガンの出港が延期された。延期は7度目で、異例の事態となっている。基地事情に詳しい関係者によると、艦内で設備の不具合が起きたとみられている。

海上保安庁からの情報のほか、横須賀市がロナルド・レーガンが28日も出港していない事実を確認した。

米海軍横須賀基地の広報担当者は筆者の取材に対し、「(ロナルド・レーガンの)個別具体的なオペレーションについては答えられない。運用についてはお答えできない」と話し、ノーコメントを貫いている。

横須賀市国際交流・基地政策課によると、当初は18日午前10時20分ごろの出港を予定していた。その後、今回も含め、外務省を通じて市に事前通報があったものの、7度も延期された。延期の理由についての説明はないという。

米海軍横須賀基地の事情に詳しい関係者は、出港延期の原因として艦内に真水を供給する造水装置につながる配管が破裂した可能性があるとの見方を示した。

この関係者は「米軍では安全保障上トップシークレット扱いかも知れない。冷えた老朽化した配管やバルブに高温高圧の蒸気を流したためのトラブルと聞いている」と指摘した。そして、艦内で真水の供給ができず、食事もままならない状況という。

横須賀港に設置されている放射線モニタリングポストの測定によれば、放射能漏れは確認されていない。

ロナルド・レーガンは2015年10月に横須賀基地に配備された。それ以来、同基地を母港としている。

(関連記事)

国際観艦式2022で気付いた3つのポイント

© 高橋浩祐