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●県立大が協力
野々市市特産の健康野菜ヤーコンを身近な食材として使ってもらおうと、市は石川県立大の協力で凍結乾燥させた粉末「ヤーコンパウダー」を開発した。ヤーコンは出荷時期が限られ、長期保存が難しいことが課題で、年間を通じて提供できる粉末を普段の調理に使ってもらい、普及を図る。12月にはヤーコンメニューを味わえるマルシェも初めて企画し、知名度アップを目指す。
●12月イベント、メニュー募集
南米アンデス原産の根菜ヤーコンは、整腸作用のあるフラクトオリゴ糖や食物繊維を豊富に含む。肌の調子を整えたり、血圧上昇を抑えたりする効果があるとされる。市内では15年ほど前に栽培が始まった。収穫期は11月から翌年3月ごろで、昨年度は生産者グループ「ののいちヤーコン倶楽部(くらぶ)」の会員5人が約1.5トンを出荷した。
調理はサラダにするほか、きんぴらや天ぷらなどが一般的で、用途が少ないことから、市は2019年度にヤーコンの研究に取り組む県立大の東村泰希准教授に使いやすいよう加工品の開発を依頼。凍結したままの状態で乾燥させるフリーズドライ製法で粉末にして保存することを目指した。
実際に粉末にして栄養成分を調べたところ、投与したマウスの体内で健康維持に有益な腸内細菌や善玉菌の占有率が増えていることが確認できた。生のヤーコンと同様に甘みがあることも分かった。粉末にすることで規格外品の活用にもつながると期待されている。
マルシェは12月3日ににぎわいの里ののいちカミーノで開催する。市内外の飲食店や食品加工事業者らを対象にメニューを募集し、生のヤーコンだけでなく、粉末の使用も勧める。マルシェ来場者の投票でヤーコングランプリを決める。市の担当者は「マルシェを機に野々市ブランドに選ばれるようなヤーコンの商品が生まれてほしい」と期待した。
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