「長野-東京」新幹線でブドウを輸送 物流の2024年問題対策【長野】

今年は値段もお手頃なシャインマスカット。県内外から人気があるブドウを、新幹線で東京に輸送する実験が行われました。背景には、物流の人手不足が深刻化する2024年問題があります。

■記者
「新幹線の中に採れたてのシャインマスカットが積み込まれました。これから東京に向けて出発進行!」

JR東日本が手がける新幹線の荷物輸送。長野市の新幹線車両基地では初めての試みで、荷物だけを載せての臨時運行です。この3時間前…。

■記者
「時刻は朝5時前。あたりは真っ暗ですが、すでにブドウの収穫は始まっています頭にライトを付けての収穫です。」

山ノ内町の秋香園ではシャインマスカットが例年より1週間以上早く出荷を迎えました。

■秋香園・湯本寛教さん
「置いておくと軸が茶色くなってしまったりして、粒が取れやくなったり食感も変わってきたり、味も変わってきたりするんで、やっぱり新鮮なうちが一番おいしいと思います」

ブドウはとれたてをその日のうちに。新幹線輸送に期待を寄せています。

■秋香園・湯本寛教さん
「鮮度が高いものを東京で食べれるっていうことは。僕らとしてもうれしいですし、それでおいしいと思っていただければ感謝しかないです」

物流業界でトラックドライバーの人手不足が指摘される2024年問題。来年4月1日以降、ドライバーの年間の時間外労働が960時間に制限されることで発生する様々な問題です。新幹線の活用は、1つの解決策として期待されています。

■JR東日本・堤口貴子マネージャー
「やはりトラックで運んだ方が良い物と、今トラックで運んでいるけれども新幹線で運んだ方が良い物はあるはずで、そういうものを移行することによって2024年問題にも十分対応できるんじゃないかと認識している」

ブドウなどは都内の小売店に運び込んで販売され、残りの一部は東北新幹線に積み替えて、仙台市まで輸送しました。今回の実証実験では農産物の他、精密機械や医薬品などおよそ700箱が積み込まれました。振動が少ない新幹線だからこそ輸送する商品の幅は広がります。

■JR東日本・堤口貴子マネージャー
「非食品の中で『血液』とか『検体』ですね、そういう輸送も最近増えてきてますのでそういうものも運べるかなと思っています」

JR東日本は実証実験の結果を踏まえ、来年度以降の事業化を目指しています。

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