Vol.41 左手デバイス[シュウ・コバヤシのドローンマニア]

左手デバイス(左手用入力機器)

みなさん左手入デバイスは何をお使いですか?それぞれの用途に合わせた入力機器をカスタマイズしてお使いのことと思いますが、いかがでしょうか。

基本的には読者置いてけぼりなこのコラムですが、さすがに左手デバイスに対してハテナマークだらけなことは予想しております。簡単に言いますと、パソコンを扱う際に、右手はマウスもしくはトラックパット、左手と右手でキーボードという配置になると思います。そのキーボードの代わりに左手専用で操作するのが左手デバイスです。

起源はよくわかりませんが、元々はゲームからだと思います。一人称視点のシューティングゲーム(FPS)ですと、右手のマウスで視点を変え、左手のキーボードのWASDキーで移動、スペースキーでジャンプなどの操作が一般的です。もちろんジョイパットなどのゲームコントローターでも良いのですが、正確に狙いを付ける操作はマウスの方がやりやすいです。

しかし、移動などのアクションをキーボードで行うには慣れが必要なのと、キーの押し間違えや、手元を見ないと操作出来ないような遠いキーの操作が求められることもあります。もちろん、FPSをパソコンで遊ぶほとんどの方がキーボードを使用しているので問題はないはずですが、左手でその操作ができるデバイスが世の中にあることから、必要としている人は一定数いるようです。

ゲーム以外にも3DCADの操作をする際に使っているのを映像だか画像だかで見た亊があります。まだワークステーションと呼ばれていた頃だと思うので、ソフトとハードウェアが一緒に販売されていた時代かもしれません。どちらが先は分かりませんが、映像編集や設計、ペンタブレットでの絵を描く際など、最近ではゲーム以外にも左手デバイスは使われていると思います。

私は15年前ほど前から左手デバイスを使用してまいりましたので、ご紹介したいと思います。ただ、すでに手に入らないものを多いのでご了承ください。

Nostromo SpeedPad n52

私の記憶ではこのSpeedPad n52が1番初めの左手デバイスだと思います。多分2007年ごろだと思うのですがもう少し前に秋葉原でふらっと見かけて購入したような気もします。

右側の親指がくるあたりには十字キーがついていたのですが、コレに付いてきたアプリケーションの出来が悪かったか、ハードウェアの出来が悪かったのか、使い物にならなかったので、キーボードのキーと基盤を買ってきて改造してあります。

左手デバイスを使用してもキーボードの一部を抜き出して使用するイメージで、移動はWASDで行うことが多いようですが、私は親指の十字キーに移動を割り当て、その分キーを別の用途に使用する方法を使っています。そのため十字キーが使い物にならなかったため早々に改造したのだと思います。

この頃車のCGなどを製作していたので、CGソフトのショートカットを入れていたと思います。現在はドライバやユーティリティソフトも手に入らないため使えません。

Belkinというメーカーが販売していたのですが、その後はRazerがコラボして販売していました。Razerが販売していたものはチップもアプリも別物のようなので、充分使えたと思いますが、現在は販売しているところを見つけられませんでした。

Saitek Pro Gamer Command Unit

SpeedPad n52が使えなかったのでその後購入したものです。つい最近まで使用していました。レビューなど見ると結構辛辣なものが多いですが、私は十分使えました。ただ、Saitekが独立した会社だったのが、Mad Catz Interactive傘下になり、その後、Logitech(日本ではLogicool)傘下になったためか、ドライバとユーティリティソフトがWindows11には対応しておらず、有志が対応させてくれたものをセキュリティをゴニョゴニョして無理やり動かす必要があるため、今後は使い続けられないと思います。あと、WindowsのみでMACは非対応です。

モノとしては微調整ができ、マクロも組めるので非常に便利でした。そういえばLogitechからもG13という左手デバイスが出ていました。高価だったので手を出さなかったのですが、今はプレミア価格になっています。再販もしくは新機種出してくれませんかね。

HORI タクティカルアサルトコマンダー

サードパーティ製のゲームコントローラーで有名なHORIの左手デバイスです。元々はPlaystation用のものですが、PCモードがあり、キーボードとして認識するのでMACでも使用可能です。キー設定を変えられるのですが、この設定をBluetooth経由でスマホアプリにて設定します。ここが面倒だなと思いましたが、接続先のOSに依存しないのと、設定が本体に反映されるので、どの端末に接続してもそのまま使えるところが便利です。

キー設定を変えると表記とずれて混乱するので、キーキャップを市販のものに交換する改造をしました。最近流行りの自作キーボードで使われるキースイッチと同じなので、小加工でうまいこといきました。現在のメインデバイスです。キー数が少し足りない気がしますが、まぁなんとかなります。

3DCONNEXION SpaceMouse Compact

これは今まで紹介したものと少し毛色が違いますが、意外と便利なデバイスです。左手専用かというと、右手でも扱いますが、3DCGソフトや、CADソフトを扱う際に、オブジェクトを回転させたり、拡大縮小、移動するのに直感的に操作できます。ただ、最初は面白がって使うのですが、そのうちマウス中クリックとShiftキーの組み合わせの方が直感的ではないのに使い易いのですよね。なぜでしょう。

ドローン飛行の場所を検証する際に、Google Earthを使うことがあるのですが、移動はもちろん、高さを変えるのがとても楽です。今はGoogleEarth専用になっています。そういえばこれ、会社の先輩が辞める時「こばやんにこれ託す」って置いていったのですよね。

Blackmagic design SPEED EDITOR

今まで紹介した中で一番現実的なのがこれです。BlackmagicのDavinci Resolveという編集ソフト専用のデバイスです。左手専用ではありませんが、補助デバイスということで。スピードエディターという名前の通り、リニア編集のように前から順にバシバシ切って繋いでという素早い編集に向いています。

もちろん通常の編集にも使えるのですが、キーの割当ができないので無駄なキーが多くなってしまいます。Blackmagicは編集用デバイスをたくさん出しているので、ほかの事したかったらそっち買ってね。というスタンスなのでしょうね。これはDavinci Resolve買ったらキャンペーンで付いてきました。ラッキー。

Loupedeck Live

これもちょっと毛色が違いますが、一言では言い表せない補助デバイスです。パソコンのショートカットをハードウェアで置き換えるようなデバイスです。ありとあらゆる機能を割り当てられ、音量調節から、画像編集、映像編集まで幅広いです。通常キーに機能を割り当てると、何を割り当てたかわからなくなることが多いのですが、キーが液晶になっているので、とてもわかり易いです。まだまだ使いこなせていないので、これから色々検証していきます。類似した製品にStream Deckという製品もありますね。

ドローン関係あるの?

はて、ドローン関係あるの?という声が聞こえてきそうですが、ドローンで撮影後の映像編集やパーツ製造の際に使用しておりますので、全くの無関係とも言えません。今後、ドローンをコントローラーで飛ばすのではなく、複数の機体を自動で飛ばし、人間はその管制をパソコンで行うなんて言う時代もそう遠くないかもしれませんよ。その際は左手デバイスで操る時代到来ですね。

© 株式会社プロニュース