配電設備撤去求め提訴 小松・八日市のアーケード 北電送配電は争う方針

  ●商店街振興組合

 小松駅近くにある八日市商店街のアーケード解体をめぐり、同商店街振興組合は28日までに、北陸電力送配電に対し、アーケード上に設置された配電線や配電設備を撤去し明け渡すよう求めて金沢地裁に提訴した。北電送配電側は「解体する側が費用を負担すべきだ」と主張し、争う見通し。11月8日に第1回口頭弁論が開かれる。

 訴状によると、組合は1975(昭和50)年に小松市八日市の通りにアーケードを整備。組合と北陸電力は77年、北電がアーケード上に配電施設を無償で設置できるとの合意を結んだ。

 老朽化に伴ってアーケードの解体を計画している組合側は、この合意が民法の使用貸借契約に当たるとし、解体時は北電送配電が原状回復のために設備を取り払って明け渡す必要があると訴えている。

 これに対して北電送配電側はこれまでの協議で、契約書で「配電線の移設が必要となった場合、費用は組合が負担する」と定めていることから、アーケードを解体する組合に移設費用を支払うよう求めている。

 アーケード解体をめぐっては、北電送配電が移設工事に3500万円かかるとの見積もりを示したところ、組合が支払いを拒否。組合は5月、同社に配電施設の撤去を求める民事調停を申し立てたが、不調に終わった。組合は撤去を促すため7月末で北電との電気契約を打ち切っており、現在、アーケードの照明は消えている。

 八日市商店街振興組合の西田豊代表理事は「いち早く解決し、来春の北陸新幹線延伸にアーケード撤去を間に合わせたい」と話した。北電送配電は「これまでも話し合いを進めてきた中で、提訴されたことは残念。当社の主張内容を裁判所に理解いただくため主張立証していく」(広報担当者)としている。

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