茨城全県インフル注意報 9月は初 土浦管内、警報級に

茨城県庁=水戸市笠原町

茨城県でインフルエンザ感染が拡大しているとして、県は28日、県内全域に注意報を発令した。今年は夏場から広がり始め、1999年の調査開始以来初めて9月に発令。土浦保健所管内は30人超の警報級に達した。学校での流行も目立ち、県内では学級閉鎖が相次ぐ。県は「基本的な感染対策を」と呼びかけている。

18~24日の週に、前週比4.28人増(約1.6倍)となる11.01人に達し、注意報の基準となる10人を超えた。国立感染症研究所が示す発令基準は、1週間の1定点医療機関当たりの患者報告数が10人以上で注意報、30人以上で警報となる。

県感染症対策課によると注意報発令は2019年12月9~15日の週以来4年ぶり。8月28日~9月3日の週は2.51人で、4~10日の週は4.23人、11~17日の週は6.73人と2人前後のペースで増加した後、一気に拡大した。

県内の各保健所管内の状況は、土浦が前週比30人増(約5.2倍)の37.09人、潮来が同9.77人増(約2.2倍)の17.85人。他の8保健所はいずれも10人未満で、前週に10.83人だった水戸市保健所管内は9.58人にやや減った。

県感染症情報センターによると、4~24日の3週間に、幼稚園や小中高、特別支援学校の学級閉鎖は延べ164件。県教委は既に、感染防止対策について市町村教委などへ通知した。

季節外れの流行に、同課の担当者は「新型コロナウイルスの感染対策に伴いインフルエンザ感染者も減り、免疫が低下したことが一因」と推測。手洗いやせきエチケット、予防接種など対策を呼びかけるとともに、感染拡大防止に向け、新型コロナと同様の対応を求めている。

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