トヨタ勢がWRCチリのシェイクダウンで1-2。勝田貴元は1.5秒差の5番手につける

 9月28日、WRC世界ラリー選手権は南米チリへと渡り、2023年シーズン第11戦『ラリー・チリ・ビオビオ』の会期初日を迎えた。今大会は木曜日にSSの設定がないが、シェイクダウンは他のイベントと同様に現地朝から行われ、TOYOTA GAZOO Racing WRTのエルフィン・エバンス/スコット・マーティン組(トヨタGRヤリス・ラリー1)がセッション最速タイムをマークした。今季5度目のワークス参戦となる日本人ラリードライバーの勝田貴元(トヨタGRヤリス・ラリー1)は、トップと1.5秒差の5番手タイムを記録している。

 WRCイベントとして2度目の開催となるラリー・チリ。4年前の初開催時と同様にコンセプシオンにサービスパークを構える今大会のシェイクダウンは、定刻8時01分にスタート。先頭走者のカッレ・ロバンペラ(トヨタGRヤリス・ラリー1)から順々に、各選手たちが全長5.75kmのテスト用グラベル(未舗装路)ステージでクルマの微調整や確認作業にあたった。

 そんななか3回中の2回目の走行で全車の中で唯一、4分を切る3分59秒6をマークしたエバンスが同セッション首位に。そのエバンスを選手権ポイントで33点リードし、ランキングトップを走る僚友のロバンペラがコンマ5秒差で続き、TGR-WRT勢がワン・ツー。今週末にもマニュファクチャラーズタイトルの獲得を決める可能性のある陣営にとって、幸先の良いスタートとなった。

 エバンスと1.1秒差の3番手は、Mスポーツ・フォードWRTのピエール-ルイ・ルーベ(フォード・プーマ・ラリー1)だ。前戦ギリシャでマシントラブルに泣いた26歳のフランス人は4分00秒7というタイムをマーク。そこから0.2秒遅れてヒョンデ・シェル・モビスWRTのテーム・スニネン(ヒョンデi20 Nラリー1)が4番手で続き、さらにコンマ2秒差で勝田が続くトップ5に。直後の6番手にはヒョンデの“エース”ティエリー・ヌービル(ヒョンデi20 Nラリー1)もコンマ1秒の僅差でつけている。

 2019年に行われた前回大会の覇者であるオット・タナク(フォード・プーマ・ラリー1)は7番手。タイムは4分01秒6でエバンスから2秒遅れた。エサペッカ・ラッピ(ヒョンデi20 Nラリー1)は8番手にとどまり、その後方に“ラリー1デビュー戦”を迎えたMスポーツの2名、グレゴワール・ミュンスターと地元チリ出身のアルベルト・ヘラー(ともにフォード・プーマ・ラリー1)が続きそれぞれ9番手、10番手タイムを記録している。

 4年ぶりの開催となる『ラリー・チリ・ビオビオ』の競技初日、29日(金)の“デイ1”は、サービスパークの南東エリアで3本のステージをミッドデイサービスを挟んで各2回走行する予定だ。

ピエール-ルイ・ルーベ(フォード・プーマ・ラリー1) 2023年WRC第11戦ラリー・チリ・ビオビオ
カッレ・ロバンペラ(トヨタGRヤリス・ラリー1) 2023年WRC第11戦ラリー・チリ・ビオビオ
テーム・スニネン(ヒョンデi20 Nラリー1) 2023年WRC第11戦ラリー・チリ・ビオビオ
オット・タナク(フォード・プーマ・ラリー1) 2023年WRC第11戦ラリー・チリ・ビオビオ
エサペッカ・ラッピ(ヒョンデi20 Nラリー1) 2023年WRC第11戦ラリー・チリ・ビオビオ
勝田貴元(トヨタGRヤリス・ラリー1) 2023年WRC第11戦ラリー・チリ・ビオビオ
ボストンダイナミクス社(ヒョンデ傘下)の犬型AIロボット“Spot”に興味を示すティエリー・ヌービル(中央)とエサペッカ・ラッピ(右)
グレゴワール・ミュンスター(フォード・プーマ・ラリー1) 2023年WRC第11戦ラリー・チリ・ビオビオ

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