樋口幸平×増子敦貴が語る「初体験」「新しい扉開いた」主演BLドラマ『体感予報』で得たものとは?

樋口幸平 増子敦貴

樋口幸平&増子敦貴が語る『体感予報』

「BLアワード2023」コミック部門1位、「電子コミック大賞2023」BL部門受賞など話題のBLコミック『体感予報』がドラマ化された。2023年10月15日(日)からは<女性チャンネル LaLa TV>での放送も始まる本作は、イケメン気象予報士と、金銭的理由から彼の家に居候する崖っぷちエロ漫画家の、純愛を描いたBLドラマだ。

表向きは爽やかなイケメン気象予報士だが家では暴君な瀬ケ崎瑞貴役に樋口幸平、そんな瑞貴宅に家事全般を引き受けることと「瀬ケ崎の言うことを全部聞く」を条件に居候することになった売れない漫画家の棚田葉役に増子敦貴(GENIC)。惹かれ合っているのに素直になれない2人のじれったい恋の進展に、観る者の心拍数はあがる。

瑞貴を演じる樋口は、ケガでJリーグのプロ選手を諦めようとしていたときに俳優としてスカウトされた元サッカー少年。葉を演じる増子は、オーディションを経て男女混合のダンスボーカルグループ「GENIC」のメンバーとしても活動。タイプの違う2人だが、取材の現場でもとても仲がいい。

「幸平が“環境作り”をしてくれた」「あっちゃんの人間性あってこそ」

―元々お知り合いだったそうですが、今回の関係性は恋人。そうなっていく過程を、お二人はどう形作っていこうとされたのでしょう?

増子:スーパー戦隊シリーズ(『機界戦隊ゼンカイジャー』)に出演していた頃からの知り合いでしたが、共演が決まったときには驚きました。ただ(樋口)幸平が(『暴太郎戦隊ドンブラザーズ』の)主人公を1年間務めたという意味でもすごく信頼できましたし、幸平から「ご飯行こう」と積極的に連絡をくれたり、話かけてくれたおかげで、僕も話しやすかったです。そういった環境作りをしてくれたので、すぐに仲良くなりましたし、とても居心地が良かったです。

樋口:いや、僕は本当に何もやっていなくて、みんなに好かれるあっちゃん(増子)の人間性に、僕も惹かれ、この人にしっかり応えられるような佇まい、立ち振る舞いになるようにしていっただけで。仲良くなれたり、現場が一つになったのは、本当に彼の人間性あってこそで、正直、僕は何もしていません。

― 一緒にご飯を食べに行った際は、どんな話をされたのですか?

樋口:まだ顔合わせもしていない段階だったので、役の話は全然でした。

増子:昔話というか、スーパー戦隊シリーズをやっていた頃の話に花を咲かせたり、本当に他愛のない話をして。

樋口:撮影が始まる前の“焚きつけ”ですよね。「頑張ろうね!」っていう食事会を、2人で。

増子:真っ昼間にね(笑)。

「最初のベッドシーンはすごく緊張した」

―演じた役との共通点はありましたか? まず樋口さん。演じられた瀬ヶ崎瑞貴と似ている部分や共通点があれば教えてください。

樋口:瑞貴はしっかりしているようで、愛情表現は不器用。“思いの丈”をなかなか上手に伝えられないところがあります。僕は好きな人に対しては思ったことを伝えるタイプですが、実はなかなかうまく伝わっていないこともあって……。「大切にしたい」と思うからこそ、うまく通じない。そういう部分って絶対にあると思うんです。そこは僕も不器用なので、ちょっと似ているのかなと思います。

―増子さんはいかがですか? 漫画家・棚田葉(ダヨちゃん)に似ている部分はありましたか?

増子:強いて挙げるなら心配性なところです。何でも気になってしまうというか。例えば、瑞貴が言ったことを「本当の意味はこうだったんじゃないか?」と考えて、頭の中でモノローグを繰り返すような状態は、僕にも少なからずあります。相手に違う印象を与えてしまったんじゃないかなとか。そういうところは似ているなと思います。それ以外はあまり似ていないかも(笑)。でも似ていないからこそ、掴みやすいキャラクターだったと思います。ダヨちゃんみたいな人も知り合いにいるので、すごく捉えやすい役柄だったなと。

―『体感予報』は原作のコミックでも2人のラブシーンが人気でした。演じられて「ここは大変だった」など印象に残っているラブシーンはありますか?

樋口:最初のベッドシーンはすごく緊張もしましたし、ぐっと入るものがありました。でも、何よりも監督(加藤綾佳、船曳真珠、安村栄美)やスタッフの皆さんが、美しく撮ろうとしてくださるので、僕たちも「どの角度が一番美しいか。横顔はどう映るだろう」といったことを意識していました。なので“身を委ねる”じゃないですけど、監督に求められたことをしっかりとやる、ということを意識して演じていました。楽しく演じきれたと思います。本当に監督の皆さんには感謝しています。

増子:僕もベッドシーンが印象的でした。中でも、とある状態でのベッドシーンが後半にあるのですが、さすがに初めての経験だったので、“新しい扉を開いた”という感じで、すごく楽しかったです(笑)。

「お芝居って楽しい! という実感が湧いた」

―劇中、ダヨちゃんは、気象予報士の瑞貴推しのオタク友達・万さん(松村沙友理)から、「テキストで表現しない気持ちはキャラの行動で、表情で、線のタッチで、明暗で、視線で、息づかいで、なんとか描写しようとする。そうすると、言葉より何倍も強い実感で伝わる気がするから」と言われます。これは演技にも通じる言葉なのではないかと思いましたが、いかがですか?

増子:僕もすごく印象的でした。あれって鯛野先生(原作者:鯛野ニッケ)自身の言葉でもあるようにも思います。すごく刺さりました。今回、2人の生活にリラックスした感じを出せたことで、関係性にリアルさを感じさせることができたように思います。「ああ、お芝居って楽しい!」という実感が湧いた瞬間でもありました。すごく勉強になりました。

樋口:僕もこのドラマの撮影を通して、一つの表情で全てが決まる瞬間がすごくあるなと感じました。例えば、瑞貴が「(葉が待っているから)ちょっと今日は……」と言って会社の飲み会の誘いを断るシーン。その場を去るとき、小さくお芝居を入れたんです。このドラマでは、そういった“小さなお芝居”が結構使われているんですよね。

増子:ああ、たしかに。

樋口:そういった細かいお芝居を、これから先の作品でもどんどん使ってもらえるといいなという手ごたえを感じました。そういうところが本作を通してしっかり学べたかなと思います。

取材・文:関口裕子

撮影:落合由夏

・樋口ヘアメイク:齋藤 将志スタイリング:徳永 貴士(SOT)衣装:プラスアクト、FAST、AWESOMEジャケット¥58,300、シャツ¥37,400、パンツ¥42,900、スニーカー参考商品/すべてエンポリオアルマーニ(ジョルジオ アルマーニ ジャパン)

・増子ヘアメイク:宮川 幸(P-cott)スタイリング:立松 秀顕(TEN10)

『体感予報』は女性チャンネル LaLa TV! で2023年10月15日(日)23:30より放送

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