少女と子猫の冒険と成長

パリを舞台に、少女の目を通して愛猫との絆を描く映画『ルー、パリで生まれた猫』が2023年9月29日（金）より新宿ピカデリー、シネスイッチ銀座ほかにて公開。このたび主人公の少女クレムとキジトラの子猫ルーの成長物語を鮮やかに彩る、様々な動物たちの場面写真が一挙解禁となった。

――10歳の少女クレムが住むパリのアパルトマンの屋根裏部屋で生まれた一匹のキジトラ猫。クレムは、この生後2か月ほどの小さな猫をルーと名付け、家族として迎えることにする。

クールで好奇心いっぱい、クレムのことが大好きなルーとの生活は、彼女の日々を楽しく彩っていくが、家族と過ごす家や、パリから遠く離れた別荘がある大きな森を舞台に紡がれる本作には、実はルー以外の猫たち、さらには数々の種の動物たちが登場する。

クレムとルーのかけがえのない物語を彩るのは、＜ネズミ＞＜鳩＞＜犬＞＜オオヤマネコ＞＜うり坊＞＜ニワトリ＞＜フクロウ＞だ。

CGじゃない！ 物語を彩る個性的な動物たち

まずは、クレムら家族とルーが訪れたヴォージュ山脈の森のはずれにある別荘の隣人マドレーヌと暮らす、大きな黒犬ナポリタン・マスティフのランボー。クレムが人生経験豊富なマドレーヌから様々なことを学ぶそばで、小さなルーとその何倍もの大きさのランボーとの間には、種を越えた不思議な交流が生まれていく。

ルーがマドレーヌの家にあるニワトリ小屋に入り込むシーンでは、たくさんのニワトリが登場。至近距離で見慣れぬ生き物に遭遇したお互いが大パニックに陥るスリリングなこのシーンは、スピルバーグの『ジュラシック・パーク』のあるシーンへのオマージュだという。

森の中に入り込んでしまったルーを探すために、その後を追ったクレムが森で出会うのがオオヤマネコとうり坊（イノシシの子ども）だ。孤高さをたたえるオオヤマネコの姿にクレムがくぎ付けになるシーンは、短いながらも強い印象を残す。

ルーが雪深い森の中で出会うことになるのがフクロウ。パリっ子であるクレムとルーにとって美しさや未知なる魅力をたたえる広大な森のシーンでは、そこに生きる動物たちの姿を丁寧に描き出し、自然の豊かさや厳しさを感じられるのも本作の魅力のひとつになっている。

パリのシーンでは、クレムたちと暮らし始めたルーが、初めてのお留守番中に窓越しに出会うのが鳩。ルーは窓の外の鳩を狙って子猫ながらに狩りの姿勢を取るが、羽をばたつかせる予測不能な動きに恐れをなしてすごすごと逃げてしまう。ルーの内なる“野生”を感じさせる場面でもある。

そして、クレムやルーが寝静まった夜、屋根裏の外でノラ猫とネズミによる激しい追走劇が繰り広げられる。このシーンのネズミはCGではなく、何人もの動物トレーナーたちが手のひらサイズの小さなネズミを試行錯誤しながら演出した。

この他にも、クレムの知らないところでルーが出会い恋に落ちる白猫のカリーヌをはじめ、さまざまな個性的な猫たちも登場。猫好きのみならず、様々な動物好きの心もしっかり捉える動物たちの出演シーンにも注目したい。

「子猫は私たちと一緒に、撮影現場で成長した」

“人間の俳優を捉えるように動物の視点に立って撮る”と称される動物映像作家のギヨーム・メダチェフスキ監督は、ルーを演じる猫としてキジトラにこだわってキャスティング。「ルー役のキジトラは4匹いたんですが、そのうち1匹が安定していたので、8割はその猫で撮影しています。その猫とは確かな関係を築けたと思います。生後2か月半の時にやってきて、スポンジのように多くのことを吸収していきました。私たちと一緒に、撮影現場で成長したと言えるかもしれません」と振り返る。ルーを演じた子猫たちはキャスティングを行った本作の動物トレーナーが家族に迎え、なんとすでに別の作品への出演も果たしているという。

パリから遠く離れたヴォージュ山脈を物語の舞台にした理由について、監督は「山地に興味があったし、この地方ではさまざまな季節を見ることができます。特に冬の景色を生かすことができました。そこに生息するオオヤマネコを映画に登場させることもできましたしね。森には苔が生えていて、光が美しく差し込み、いかにも物語の世界の森の風景だったのも気に入りました。すべてがこの映画の世界にぴったりだったんです」とコメントしている。

なお、劇場で本作を鑑賞すると先着で、子猫時代のかわいらしいルーのポストカードが1名につき1枚プレゼントされる（数量限定のためなくなり次第終了）。

『ルー、パリで生まれた猫』は2023年9月29日（金）より新宿ピカデリー、シネスイッチ銀座ほか全国順次公開