80代女性 現金6700万円被害 施設入居解決金など名目でニセ電話詐欺 諫早署

 諫早署は28日、高齢者介護施設への架空の入居権を持ちかけられた長崎県諫早市内の80代女性が、入居権譲渡を巡って名義貸し問題が起きたように欺かれ、解決金などの名目で現金約6700万円と25万円分の電子マネーをだまし取られるニセ電話詐欺事件が発生したと発表した。
 同署によると今年5月21日、女性宅に、男の声で「新しく介護施設を建設することになった。市内の80歳以上の人から優先的に入居できる」とうその電話があった。女性は断ったが、別の高齢者に権利を譲ってほしいと頼まれ、応諾した。
 その後、施設関係者や金融庁職員、弁護士をかたる男らとの電話でのやりとりが続いた。男らは「入居権の譲渡は詐欺。刑務所に入らなければならない」「資産が凍結される」として解決金や資産保全のための供託金などが必要とだまし、全資産を現金化し、小包を装って複数回に分けて宅配便で送るよう指示。信じた女性は7月31日まで7回にわたり、計約6700万円を指定する県外の場所に送付。さらに送付した荷物を引き取るための手数料として計25万円分の電子マネーをだまし取られた。
 同じような詐欺被害を取り上げたテレビ放送を見た女性が不審に思い、今月15日に同署に相談、発覚した。

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