安全、安心、地域を守る 「県民の警察官」4人選定

2023年度の「県民の警察官」を決めた選考委員会=山形市・山形グランドホテル

 山形新聞、山形放送が主催する2023年度の「県民の警察官」が決まった。50回目の今回は、4人の警察官に対して計36通の推薦書が寄せられた。主催者と関係団体の代表者ら計8人で構成する選考委員会が、これまでの実績などを考慮して4人を選定した。

 山口雅士警部補(54)=南陽署交通課=は1987(昭和62)年に拝命。勤続36年6月のうち、交通部門が26年6月と最も長い。現所属では主に交通規制を担当し、道路の危険防止に努めている。警察学校の教官を務めた経験から部下の指導で定評があり、豊富な知識を後輩たちに伝え、同僚からの信頼も厚い。全国警察逮捕術大会で3位に入賞するなど逮捕術、剣道の術科でも卓越している。

 茂木周郎警部補(50)=村山署交通課=は98年に拝命した。勤続25年6月のうち22年6月が交通部門。事故捜査の経験が豊富で綿密、徹底した捜査を尽くし事故原因の究明と再発防止に全力を傾注する。山形署勤務時の2017年11月、飲酒運転を伴うひき逃げ事件捜査では詳細な実況見分と資料採取で逃走した容疑者の判明に結び付け、事件の真相究明につなげた。若手に技能を継承している。

 志田学巡査部長(51)=山形署留置管理課=は96年に拝命した。勤続27年のうち留置管理が14年6月と最長で、地域や鑑識なども幅広く経験。留置管理業務では厳正な勤務態度を保持し、若手への指導にも情熱を注ぐ。98年から4年間、県警の駅伝特別訓練員の指定を受けた。現在は県縦断駅伝競走大会で出身地の寒河江・西村山チームで監督を務め、スポーツを通じた地域振興にも力を入れる。

 斉藤希春巡査部長(49)=上山署地域課=は92年に拝命。勤続31年6月のうち最長11年の刑事部門をはじめ地域、警務など幅広い分野を担ってきた。現在は駅前交番主任として地域に根差し自転車事故の防止を目的とした啓発活動、受け持つ地区での巡回連絡、若手への教養指導などに積極的に取り組む。99年から県警音楽隊の活動にも従事し音楽を通じ警察と県民の架け橋として貢献している。

 山形新聞、山形放送は1974(昭和49)年に「県民の警察官」制度を創設した。県内の治安を守り、県民生活の安全、安心のために日夜、尽力する識見が豊かな警察官を顕彰している。本年度の4人を含めて受賞者は計207人に上る。この他、80年に警察庁指定の連続銀行強盗事件を解決した天童署の特別捜査本部、2001年に羽黒町(現鶴岡市)で発生した強盗殺人事件の捜査本部にそれぞれ栄誉賞、県警音楽隊と県警航空隊にそれぞれ特別賞を贈っている。

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