リ・デザインへ共創を、国土交通省大臣官房公共交通・物流政策審議官 石原 大氏 地域公共交通活性化へ

公共交通においては本年が地域公共交通「リ・デザイン」(再構築)元年と位置付けられる。「実のあるもとするため、新たな枠組みを円滑に実施すること」が喫緊課題。
 「法制度、財政支援策を揃えた。地域でいかに使いこなしてもらうか。抱える足の問題は様ざまで万能薬はなく、それぞれ処方箋が必要。自治体に対し運輸局、本省も丁寧に相談に乗り対応策を示す」。前任の鉄道局審議官ではその前任が鶴田浩久自動車局長で、ともにスキームを作ってきた経緯もあり「しっかりやり遂げる」との思いが強い。
 これを推進する地域公共交通活性化再生法施行(10月1日)に向けて「共創がキーワード。関係省庁、有識者と地域公共交通リ・デザイン実現会議を発足し、オール霞が関で足の問題にしっかり対応したい」。
 10月の物流・自動車局改編へ実務面では既に進められており、物流政策の担務は長井総和審議官に移行、石原審議官は地域公共交通を担当する。
 物流との関係では貨客混載が貸切バス、タクシー、トラックで過疎地域以外でも認可された。「いずれも人手不足が深刻化しており地域の輸送問題を解決する切り札となる」。鉄道についても「貨客混載はローカル線から新幹線まで取り組みがスタートしている。とくに長距離輸送、地方でのドライバー不足の問題解決への手段であり総論としてはどんどん進めていくべき」と見据える。
 省庁再編を翌年に控えた2000年夏の交流人事で道路局の道路総務課長補佐として道路行政の経験も。その後は自動車局総務課企画室の課長補佐としてノンステップバスやCNGバスの補助制度の仕組みづくりに係わる。「自動車、道路の連携施策を進め、補佐の立場だがいろいろと自由に新しい制度に携わった。当時のメンバーが省の幹部となっており、これからの足の問題に対しても連携が強まる」と期待を込める。貨物課長補佐時代は処分基準の抜本的改正に係わった当時の苦労が印象深いと振り返る。
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 石原 大氏(いしはら・だい)1992年東大法卒、運輸省入省。大臣官房人事課長などを経て21年大臣官房審議官鉄道担当。神奈川県出身、54歳。休日は街歩きや読書。

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