日本に影響を受けた偉大な作曲家がテーマの舞台『ケージ・シャッフル』NYで

By 「ニューヨーク直行便」安部かすみ

(c) Maria Baranova

ニューヨークで日本関連の文化を紹介するジャパン・ソサエティーは、作曲家ジョン・ケージをテーマにした舞台公演「ジョン・ケージの日本」シリーズを、10月から12月まで実施する。

『4分33秒』などでも知られる20世紀のアメリカを代表する作曲家、ケージがいかに日本からインスピレーションを受けていたかを表すシリーズで、第一弾として『ケージ・シャッフル(Cage Shuffle )』を9月28日、29日の両日催した。

創作および出演は、ニューヨークのダウンタウン・シアターを牽引する俳優で演出家のポール・ラザール氏(ソロ・パフォーマンス)。振り付けはトニー賞受賞振付家、アニー・B・パーソンが担当した。

公演内容は、ケージが「1分間をかけて読むこと」という指示を伴って書きためた短い大量の文章「インディターミナシー(Indeterminacy)」(’63)から「Japan」「Zen」「イサムノグチ」「鈴木大拙」「吉田秀和」など日本に関係した言葉のある文章だけを取り出して順不同にシャッフルにかけ、振り付けを伴って朗読した「ジョン・ケージの日本」シリーズ用の特別バージョンだった。

「ジョン・ケージの日本」シリーズについて

音楽というジャンルを超え、世界の前衛芸術界に多大なる影響を与えたアメリカを代表する作曲家、ジョン・ケージ。生涯にわたり日本文化や禅の思想から深い影響を受け、創作の糧とした。特に1962年の初訪日は「ケージ・ショック」という言葉でも表現され、日本の前衛芸術家にもショック(影響)をもたらした。衝撃を受けたのはケージ本人も同様で、その後彼の創作活動の指針を示す大きな出来事になったとされる。このような日本がケージに与えた芸術的影響に目を向け、4つのプログラムで構成されている。

『ケージ・シャッフル』(「ジョン・ケージの日本」シリーズ第一弾)

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