実情把握し実効性を、国土交通省自動車局安全政策課長 永井啓文氏 高度化・DX化好機に

これまで安全・環境基準の策定、ASVや電動車、自動運転など新技術の導入・普及促進、型式認証等の自動車技術分野を中心に政策に関わってきた。「関越道高速バスや軽井沢スキーバス事故の際、車両安全対策の面で関わった経験は忘れられない。悲惨な事故を繰り返してはならないという意志のもと、関係者と連携しながら積極的に職務に取り組む」と強い決意で臨む。
 直近では認証関係で大手の不正事案に対応、その前は自動車技術総合機構で3年間経営企画を経験した。「ガバナンス体制の構築・強化の重要性や、職員一人ひとりが自分の仕事に誇りを持ち、心身ともに健康で働けることの大切さを痛感した」。
 最近、産業カウンセラーの資格を取得したという。安全政策課において運行管理の高度化・DX化や健康起因事故、飲酒運転対策など検討に生かしていく。
 喫緊課題の1つは政府の物流政策パッケージを踏まえた対策。事故件数が増加傾向にある軽貨物の安全対策と運行管理の高度化・DX化の実現。運行管理高度化は「単に置き換えるということではなく、実効性を伴いながら安全性を飛躍的に向上するもの」と大きなチャンスととらえる。
 もう1つは重大事故が多発する貸切バスの安全対策。「コロナ5類移行後の移動の活性化を鑑み、
関係業界からしっかり話を伺い実状を把握し政策を打ち出したい」。
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 永井 啓文氏(ながい・よしふみ)1999年東工大院総合理工学研究科修了、運輸省入省。自動車技術総合機構企画部長などを経て22年審査・リコール課リコール監理室長。東京都出身、49歳。週末は地元コミュニティでテニスなど。

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