「情報足りない」 長期運休の弘南鉄道(青森県)に市民不満 詳しい説明なし、記者会見も発生の2日後

交換したレールの確認などを行う作業員=28日午前9時ごろ、平川市館田

 摩耗したレールの交換のため異例の長期運休を決めた弘南鉄道に対し、市民から「情報発信不足」との指摘が相次いでいる。同社はホームページや交流サイト(SNS)で「運転見合わせ」と知らせるだけで詳しい説明がなく、記者会見も発生の2日後。市民らは「頼みの『足』なのに、情報が全然入ってこない。どうすればいいのか」と不満を示している。

 28日午前、弘南線館田駅(平川市)付近では、作業員らが前日交換したレールの点検・確認を行った。弘南線と大鰐線で計6カ所あるレール摩耗箇所のうち1カ所目が終了したという。

 運休初日の25日夕、弘南線弘前東高前駅では約20人が列車の到着を待っていた。駅員は不在で、運休の張り紙は見当たらず、運休を知らせる構内アナウンスも駅前までは聞こえない。黒石市から来ていた弘前東高2年の男子生徒も運休を知らず「びっくり。家族に迎えに来てもらうしかない」と話していた。

 弘南線弘前駅近くに住む女性(71)は運休以来毎日、駅改札前に張り出されているお知らせを見に来ているという。「運休の詳しい理由も再開見通しも書いていない。バス代行の開始日やダイヤを早く知りたい」と情報の少なさに困惑していた。

 27日に平川市の本社で開かれた会見では、集まった報道陣から弘南鉄道側の情報発信不足を指摘する声が相次いだ。弘南鉄道側は「状況が確定し、内容を整理するのに時間がかかった」と説明。報道陣から「答えられる範囲で良いので、きちんと取材対応してほしい」との声が上がった。

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