青森・外ケ浜町舞台の映画「変わらない。変われない。-」仏ニース映画祭短編賞

短編映画「変わらない。変われない。それでも、」より(©吉本興業)

 青森県外ケ浜町を舞台に夫婦の絆を描いた短編映画「変わらない。変われない。それでも、」(福田浩之監督)がフランス南東部で開かれていた「ニース国際映画祭2023」の最優秀外国短編映画作品賞に選ばれた。

 同作は吉本興業と、外ケ浜町、県などでつくる「風のまち外ケ浜 映画制作実行委員会」が制作。東北6県を舞台に「絆」をテーマに撮影したオムニバス映画「絆のものがたり」のうちの1編で、2020年12月に同町で撮影した。

 映画は、ホタテ加工場で働く主人公の男が、自身の浮気が原因で出て行った妻を亡くし、喪失感や罪悪感を抱えながら生前の妻の記憶とともに生きることを決意。町の人々に支えられながら一歩を踏み出す姿を描いた。

 俳優の松浦祐也さんが主演、山口紗弥加さん、佐藤二朗さんのほか、青森市のお笑いタレント先川栄蔵さんも主人公の同僚役で出演。先川さんは「福田監督がほれ込んだ外ケ浜町のロケーションと、役者の息遣いをぜひ感じてもらいたい」とコメントした。

 福田監督は、脚本は自身の実話が基になっていると明かし、「撮影中は青森県の穏やかな雰囲気の中で亡き妻と撮影している気持ちになっていました。青森県、外ケ浜のご協力いただいた皆さんや環境があったからこそできた作品。そんな青森県でこのような報告ができること、とてもうれしいです。また機会があれば、今度は長編作品を青森で撮ってみたいと思っています」と東奥日報にコメントを寄せた。

 映画は10月20日から東京のほか東北6県などで順次公開。県内では11月18日から青森市のシネマディクトで上映予定。

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