岩城滉一、26年ぶり映画主演 人生の最期を意識し始めた71歳 第二の青春描く 「ラストターン」公開決定

岩城滉一が26年ぶりに映画主演する「ラストターン 福山健二71歳、二度目の青春」が、2024年春に劇場公開されることが決まった。

「ラストターン 福山健二71歳、二度目の青春」は、人生の最期を意識し始めた71歳の主人公が、一歩を踏み出してさまざまな人と交流し、新たな挑戦をはじめ、第二の青春を送ろうとする物語。定年退職し、認知症だった愛妻をみとり、一人で一軒家で暮らす71歳の福山健二。ある日、自身の物忘れに不安を覚え、人生の最期を意識し始めた健二は、健康維持と「認知症予防」に取り組み始める。そんな中で出会った橋本という陽気な老人と水泳教室に参加することを決めた健二は、水泳を大切な「挑戦」であり「目標」と考えはじめる。

主演は、1997年公開の「なにわ忠臣蔵」以来、約26年ぶりに映画主演を務める岩城滉一。認知症を患っていた愛妻・福山佳代役を宮崎美子、健二が通う水泳教室の講師・岸本香里役を高月彩良が務めるほか、田山涼成、淵上泰史、西尾まり、三浦誠己、貫地谷しほりらが出演する。監督・脚本は、数多くの監督の下で助監督を務めたのち、「うちの執事が言うことには」で長編映画監督デビューを果たした久万真路。

岩城滉一らのコメントも公開された。コメントは以下の通り。

【コメント】

■福山健二役:岩城滉一
Q.26年ぶりの映画主演として本作を選ばれた理由、実際に撮影をされて感じられたことなどをお聞かせください。
A.お話を頂いた時に、プロデューサーから最初に言われた一言が「Webにアップされていた岩城さん夫婦の写真の、岩城さんの優しい笑顔を見てキャスティングさせて頂きました」と言って頂いて、すごく嬉しく思いましたね。
プロットを読んで「残りの人生をどう過ごして行くか?」という問いかけに、とても興味を覚えお引き受けしました。
劇中の福山健二と僕は同じ年齢だった訳ですが、僕は今でもバイクに乗るし、レースにも出ているので、自分とのギャップもあり、健二の些細な表現に最初は違和感がありましたが、奥さん役の宮崎美子さん、そして友達役の田山涼成さんとは楽しく過ごさせて頂きました。

Q.本作をどんな方に観ていただきたいでしょうか。
A.やはり、同世代の方々には観て頂きたいと思いますね。70才を過ぎても一日一日を楽しくしっかりと生きていく。先を明るく見ていく事はとても大切なことですから。

Q.劇中で健二は水泳に挑戦しますが、事前に準備されたことなどございますか?
A.上手いか下手かは別として、もともと泳げない訳ではなかったので、逆に泳げないように泳ぐ方が難しかったですね。

■福山佳代役:宮崎美子
認知症の役は初めてだったので、とても難しいなと思い、皆さまのご協力で施設に見学に行かせてもらったり、勉強をさせていただいたりし、何とか演じさせていただきました。
実際に介護されているご家族の方から見たら、それは違うよ~と思われるところもあるとは思いますが、人それぞれ症状が違うので、やはり難しい、大変な病気だなと感じています。
介護に携わるご家族も大変ですし、また、ご病気になられたご本人も普段何も家事など経験のない旦那様の事は心残りだったのではと思います。
この映画は残された旦那様の理想形です。
良いお友達を見つけるなど、人はいつでも、何歳になっても、誰かと、何かで関わらないと生きていけないものだと、それが出来たとき、人生の「ラストターン」が上手く決まるのではないかなと思います。

■岸本香里役:高月彩良
岸本香里は、水泳選手としての道から離れ、市民スポーツセンターで水泳講師をする女性ですが、私もかつて幼少期の頃に「プロ水泳選手になりたい」と願った事があり、一度は夢を追いかけた競技に役を通して触れられた事が、今までにない、貴重な経験でした。「ここで夢を叶えたい」と、自分の想いも投影させた作品です。
共演させて頂いた岩城滉一さんは、とってもワイルドでパワフルな方なので、撮影現場は常に明るく、共にさせて頂いた時間は、華やかで刺激のある毎日でした。撮影中はたくさん声を掛けて下さり、岩城さんのおかげで私の緊張も自然と解けていきました。

■監督:久万真路
歳をとり老いていくことに明るい未来が見えない。
年齢を重ね、経験値は上がっている筈なのに、新しいものについていけないからと、振り落とされてしまう。
今の高齢者達に明るい未来が見えないのであれば、後に続く我々はどうなってしまうのか。
そろそろ年寄の仲間入りする身となり、何とかもがけないものだろうか。
そんな気持ちでこのシナリオを書き始めました。

この作品は、人生のおしまいを感じ始めた老齢の男と、人生を賭けてきた夢に破れた若い女 の交流を描きます。世代や性別は違えど、それぞれにピークを過ぎた自分を生きねばならないことに戸惑うふたりが、出逢うことで、新たな一歩が見えてくる。
人様に迷惑をかけないという信条は、とても尊く崇高ですが、時として人を追い詰めてしまいます。自己責任が持てはやされ、出来ないものが悪く、助けを求める事が罪悪のようにとられてしまう現在の日本社会。弱い者がためらう事なく助けの声をあげられる世になれば、未来への不安から放たれ、今の生活を楽しく安心して生きていけるのではないでしょうか。
不器用な二人の生き方を見つめる事で、そんなことを少しでも感じてもらえば大変嬉しく思います。

【作品情報】
ラストターン 福山健二71歳、二度目の青春
2024年春公開
配給:イオンエンターテイメント
©2023「ラストターン」製作委員会

© 合同会社シングルライン