テレビ東京は、リアルな映像と、3次元CGで作った背景を組み合わせ、臨場感あふれるシーンを表現する「バーチャルプロダクション」技術を本格導入するという。
バーチャルプロダクションとは、グリーンバックや大型LED（ディスプレイ）に、背景となる3次元CGを映し、位置情報センサーをつけたカメラでリアルな映像を撮影し、合成する技術。
例えば、海外の風景を背景にしてスタジオなどの人物を撮影すれば、あたかも海外で撮影しているような臨場感のある映像表現が可能になる。
まずは、3つの番組からスタートして、今後、様々な番組やネット配信に拡大していくという。
バーチャルプロダクションを導入する一つ目の番組は、10月7日（土）から放送が始まるJリーグの情報を中心に発信する新番組「サタデーナイトJ」。
この番組では、Jリーグの未来を表現するというコンセプトで、バーチャルプロダクション技術を使って架空のスタジアム内にスタジオを設置。
生放送の臨場感を演出しながら、選手の情報やサッカーの戦術を立体的に表現することで、サッカーの魅力を存分に楽しんでもらう。
このほか、毎週土曜、日曜放送の「みんなのスポーツ」と、情報バラエティ番組「ナゼそこ？」のあわせて3番組に導入する。
3次元CGで表現した東京の夜景やサッカースタジアム、大自然の秘境にあるスタジオ、といった臨場感のある演出が可能になった。
テレビ東京では今年3月、このバーチャルプロダクション技術をドラマにも使い、全ての背景をLEDの大型ディスプレイで撮影したショートドラマ「ひとひらの初恋」を配信した。
一切のロケなしで、この技術によって舞台の花屋に新たな彩りや輝きを増した空間を作り出した実績がある。
この「バーチャルプロダクション」という構想は、未来を担う新技術を開発する「テックラボ」という社内組織から生まれたもので、コンピューターを使って進化する仮想映像技術を活用することで、スタジオの在り方を大きく変えるものである。
