餃子計画「創業の味 生餃子」 市販用の開拓を本格化

餃子計画(本社・東京都港区)は、23年秋から市販用の冷凍食品「創業の味 生餃子」を本格販売している。大阪発祥の業務用餃子で一目置かれている同社だが、新たな市場開拓に乗り出した格好だ。本紙の取材に西田高裕営業部長は「今後は市販用の売上を拡大し、構成比を5割以上(現行3割)に高めていく」と意気込みを語った。

「創業の味 生餃子」は、安心・安全でおいしい餃子を追求した創業者(故人)のこだわりが詰まっている。国産豚肉・国産野菜を主原料に、にんにくは国内最高級品種の青森産「福地ホワイト六片種」を使用。鹿児島の「黒酒(灰持酒・あくもちざけ)」を加え旨みをアップさせていることもポイント。そして、おいしさを感じやすい薄皮で餡を包み、生のまますぐに急速冷凍。加熱は調理時の1回だけのため専門店で食べるようなジューシーで新鮮な味わいが楽しめる。味香り戦略研究所の分析結果によると「先味のインパクトが強い」「素材感と複雑な旨味」「ジューシーさが強い」などの評価を得た。

容量は1kgと650gの2種類。店頭の想定売価(税別)は「生餃子 1kg」(20g×50個入)が1千180円、「同ひとくち小粒 650g」(13g×50個入)が880円。製造は国内4拠点のうち大阪工場。

「生餃子」は、これまで一部会員制の大型スーパーで販売してきたものの、ほぼ業務用に特化してきた。市販用へ広く展開するにあたり、パッケージデザインを一新。5~6月にかけて発売し、今秋のシーズンインが本格導入のタイミングとなった。西田部長は「まずはスーパーなど約2千店舗にご採用いただけた。昨今は価格が少し高くてもおいしい商品へのニーズが高まっており順調なスタートを切ることができた」と手応えを語る。

市販品の開発にあたっては19年に韓国・CJグループ入りした効果も大きい。デザインや外部へのアプローチなど、主にマーケティング面でバックアップを得ている。

現在はより多くの生活者においしさを実感してもらうべく、全国各地のスーパーなどで試食販売を実施。営業スタッフが店頭に立ち、こだわりを直接アピールしている。「今まで食べた冷凍餃子と違う」「青森産の高級にんにくを使ってこの値段なら安い」などの反応があったという。

西田部長は「『安心・安全・美味しい餃子を世に広めたい』という当社のDNAが開花しつつある。商品価値を地道に伝えていきたい。今後は業務用の売上を維持しながら、市販用の拡大を加速させる」と話す。

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