JDI、中国大手との提携解除 有機EL、工場は建設

ジャパンディスプレイのロゴ

 ジャパンディスプレイ(JDI)は29日、中国ディスプレー大手HKCと4月に結んだ戦略提携の覚書を解除すると発表した。次世代有機ELの工場を中国に建てる方針だったが、工場の運営をHKCが主導する計画に取引先から否定的な声があったという。JDIは、中国の安徽省蕪湖市の経済技術開発区に同社主導で工場を建てる計画に切り替え、生産能力の拡大路線を維持する。

 JDIは、従来製品より明るく寿命が長い次世代有機EL「eLEAP」に社運を懸けている。千葉県茂原市の工場で2024年に量産を始めるのに続き、蕪湖市で二つの工場を建設する。25年11月と26年12月に量産を始める予定だ。2工場の建設費用は数千億円規模になるとみられる。

 投資は取引先などが支援し、JDIの負担は抑える方針。中国当局の許認可を得て、12月末までに蕪湖市と最終契約を結ぶ予定だ。

 スコット・キャロン会長兼CEOはオンラインでの会見で「顧客には、JDIから直接製品を買いたいと言われた。JDIとして、競争力の高い生産拠点を確保する」と述べた。

© 一般社団法人共同通信社