いじめ原因と認定せず 富山市北部中の生徒自殺

  ●第三者委が報告書

 昨年11月に富山市北部中3年の女子生徒が自殺した問題で、市教育委員会は29日、第三者委員会による調査報告書の要旨を公表した。報告書では、1年時に受けた行為をいじめと認定したが、「自死の原因になったとは考えられない」と結論付けた。

 市議会総務文教委員会で市教委が報告書の概要を説明した。

 第三者委の報告書によると、生徒が1年時、同じ部活動の複数の部員から容姿をけなされたり、約束を断られたりなどのいじめを受けていたと認定。一方、自殺した3年時には「いじめは過去のこととして、一定程度の整理がついていた」と指摘し、直接の因果関係は認めなかった。

 生徒が2年の6月から不登校となったことに関しても、いじめが間接的に影響した可能性はあるものの、直接の原因ではないとした。

 自殺の背景として、不登校となった後に交流サイト(SNS)を巡りトラブルがあったことや、受験や進学に対する不安、ストレスなどにより、生徒の精神状態が悪化したと指摘。学校側が組織的に対応せず、いじめの訴えに対する調査が不十分だったことなどを問題点に挙げた。

 女子生徒は昨年11月19日に亡くなった。市教委はいじめ防止対策推進法が定める重大事態の疑いがあるとして、弁護士、学識経験者、社会福祉士の3氏による第三者委を設置し、事実関係などを調べていた。

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