“保険のプロ”がおすすめ!いま入る認知症保険、押さえるべき3つのポイントはこれだ!

(写真:アフロ)

「9月25日に厚労省が認知症の進行を遅らせる効果のある国内初のアルツハイマー病治療薬『レカネマブ』(エーザイと米バイオジェンの共同開発)を正式に承認し年内にも日本の医療現場で使えるようになる見込みだと報じられました。このように認知症を取り巻く環境は刻々と変化しており、認知症保険の選び方もそれに応じて変わってくると思います」

こう話すのは「NEWよい保険・悪い保険2023年版」(徳間書店)の共同監修などでおなじみの“保険のプロ”長尾義弘さん(ファイナンシャルプランナー)だ。この保険は、認知症に特化したもので、認知症と診断されると給付金が受け取れるもの。一部には、正常な状態と認知症の間にある軽度認知障害(MCI)を保障する商品もある。

「厚労省によると、日本国内における認知症患者数は2020年の600万人から25年には730万人、高齢者の5人に1人が認知症になると推測され、深刻さを増しています。そうした背景もあり、認知症保険はいま注目の保険。それだけに大手を含め多くの保険会社の商品があり、それぞれに保障内容や保険料が異なるため、選び方がむずかしくなっているのが現実です」

また今回のアルツハイマー病治療薬『レカネマブ』は症状の進行を抑えるもので治すものではない。まだ認知症は治る病気ではないのだ。そうしたことをふまえて今回、長尾さんが認知症保険選びのポイントとあげるのは次の3つだ。

(1)保険料が安い

「現在の物価高で家計が苦しい現状では、月々の保険料負担をいかに抑えるかは重要な視点です。高齢者の5人に1人という数字は重いですが、裏を返せば5人に4人はならないとも言えます。それを考えると貯蓄で足りない分を保険で補うことで診断一時金として100万円程度を基準になるべく保険料の安い商品を選びましょう」

(2)親を対象にして加入できるかどうか

「じつは認知症介護で実際に介護する側の子供の負担が大きいという現実があります。もし自分の親が心配という場合、自分の親を対象に加入できる商品があります。この商品に親が入っていると、介護になって施設に入るときの初期費用にも役立ちます。また認知症治療費用の一部にすることができます。アルツハイマー病治療薬『レカネマブ』が承認され、認知症治療に展望が開けてきたいま、これも将来を考えた大切な備えだと思います」

(3)軽度認知障害(MCI)と診断されたときに給付金が出る

「認知症保険は、認知症の前段階である軽度認知障害(MCI)についても保障している商品が増えてきました。MCIの段階で治療すると健常者に戻る可能性があるからです。認知症の早期発見、早期の治療がとても重要です。MCIの給付金で早期治療の動機付けになってほしいという意味もあります」

新しく承認されるアルツハイマー病治療薬『レカネマブ』の対象は、軽度認知症MCIである。今後は、認知症の早期発見・早期治療がより一層重要になってくる。今後、認知症保険も、よりMCIに対応する保障やサービスが充実してくることを期待したい。

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