『葬送のフリーレン』フェルン役・市ノ瀬加那が初回2時間スペシャルの見どころを紹介「泣けるシーンがいっぱいあります」

『週刊少年サンデー』で連載中の漫画『葬送のフリーレン』のTVアニメが、日本テレビ系『金曜ロードショー』にて初回2時間スペシャルで放送。10月6日からは毎週金曜よる11時「FRIDAY ANIME NIGHT(フラアニ)」で放送される。entaxではフリーレンの弟子として共に旅をすることになる魔法使い「フェルン」を演じている市ノ瀬加那さんに単独インタビュー。その模様を前後編の2回にわたってお届けする。

今回は初回放送の見どころを教えてもらうとともに、フェルンと特に関わりの深い2人、「フリーレン」役の種﨑敦美さん、「ハイター」役の東地宏樹さんとのアフレコエピソードを伺った。

――初回2時間スペシャルの見どころを教えてください。

市ノ瀬 いっぱいありますよね。どれがいいかなあ……、でもやっぱり「蒼月草(ソウゲツソウ)」のお話とかはすごく好きですね。エルフにとって10年はたった10年ですけど、人間にとって10年はものすごく大きくて、濃く長い時間。フェルンは「蒼月草を探す」とフリーレンから言われた時に、一体何年ここに滞在すればいいんだろうとゾッとしたと思うんですが、明確にそこで「時間の捉え方の違い」が2人の間に出ていたシーンなのかなと思います。でも実はフリーレンなりにもちゃんと探す理由があるのもいいですね。あとはほんとにアニメーションの絵がきれいで、丁寧だなと、これがテレビアニメで見られるんだって思いましたね。何気ないカットでも光の差し方が絶妙だったりして。セリフのない映像と音楽のシーンだけでも本当に心にくるものがあって。泣けるシーンがいっぱいありますね。

©山田鐘人・アベツカサ/小学館/「葬送のフリーレン」製作委員会

――フリーレン役・種﨑敦美さんとのアフレコはどうでしたか?

市ノ瀬 ポイントポイントというよりは、フリーレンというキャラクターがそもそもどういうお芝居で来るんだろうと初回アフレコの時に思いました。フリーレンは基本落ち着いてるじゃないですか。でも日常のだらんとした時と、魔法を使っている時の師匠な感じというか、1000年生きてきた感じと言いますか、そのギャップがとてもいいポイントなので。(フリーレン役・種﨑敦美さんが)特に日常のパートはどこまで外してくるのかなと思っていたら、予想以上のお芝居がきたんですよね(笑)。そこはちょっと、最初は「あ、こういうフリーレンの引き出しってあるんだ」って驚きつつ、でもフェルンにとっては当たり前の日常なので、フェルンという役に徹して、動じないようにお芝居していました。

©山田鐘人・アベツカサ/小学館/「葬送のフリーレン」製作委員会

――特に印象深かった「予想以上のお芝居」は?

市ノ瀬 例えばミミックに食べられているシーンの「暗いよ怖いよ」とかは、「こういうフリーレンがあるんだなぁ」と。会話だと、フェルンとフリーレンが海の掃除をしていて日の出を見る話があるんですが、その中でフリーレンが寝ぼけていて、「ありがと、フェルン」って言うところが、なんかすごく、1000年生きているけど子どもらしさも感じて、フリーレンの可愛さがより引き立ったシーンだなと思いますね。フリーレンは特に、とても難しいキャラクターだと思うので、(種﨑敦美さんが)この絶妙なあんばいのお芝居でフリーレンという人物を作り上げているのがすごいなって思いますね。

©entax

――種崎さんのお芝居にどう返しましたか?

市ノ瀬 気持ち的には、より“お母さん感”が高まりましたね(笑)。なんか私がちゃんとしなきゃ、みたいな。日常のシーンは特にそういう気持ちになりますね。

――現場では種﨑さんとどのように過ごしていますか?

市ノ瀬 現場では日常的な会話が結構多かったかなぁと思いますね。でもすごく種﨑さんが、やっぱり背中で“座長感”を見せてくれると言いますか。座長にもいろいろありますが、種﨑さんはお芝居で引っ張っていってくださるタイプで、種﨑さんがいらっしゃるとすごく現場の温度感が上がるなと感じていますし、完成されたフリーレンを現場で提示してくださるので、その背中を見て自分もこういう風になりたいなと思わせてくれますね。

©山田鐘人・アベツカサ/小学館/「葬送のフリーレン」製作委員会

――フェルンの育ての親「ハイター」役の東地宏樹さんとのアフレコはいかがでしたか?

市ノ瀬 フェルンの幼少期のシーンを一緒に録ることができたんですが、なんかもう、すごいですよね…。お芝居の温かみと言いますか、東地さんが一声しゃべるたびにハイターの今までの人生みたいなものが立体的に感じられるんです。お芝居の中にすごく深みがあるなと思いました。ハイターとフェルンのシーンは胸にくる場面も多いんです。フェルンの子ども時代は特に、両親がいなくなってしまって“ハイター様”に拾っていただいて…。たぶんハイターと一緒に過ごしている時も、フェルンは早く一人前にならなきゃっていう気持ちでいっぱいだったと思うんです。東地さんとはあまり直接お話する時間が持てませんでしたが、だからこそ、お芝居でいっぱいハイターの気持ちを受け取りたいなっていうところが強くなったかなと思いますね。

©山田鐘人・アベツカサ/小学館/「葬送のフリーレン」製作委員会

★インタビュー前編はコチラ
日本テレビ系【金曜ロードショー】にて「初回2時間スペシャル ~旅立ちの章~」放送

10月6日より日本テレビ系 毎週金曜よる11時
「FRIDAY ANIME NIGHT(フラアニ)」にて放送 (全国30局ネット)

『葬送のフリーレン』
勇者ヒンメルたちと共に、10年に及ぶ冒険の末に魔王を打ち倒し、世界に平和をもたらした魔法使いフリーレン。千年以上生きるエルフである彼女は、ヒンメルたちと再会の約束をし、独り旅に出る。それから50年後、フリーレンはヒンメルのもとを訪ねるが、50年前と変わらぬ彼女に対し、ヒンメルは老い、人生は残りわずかだった。その後、死を迎えたヒンメルを目の当たりにし、これまで“人を知る”ことをしてこなかった自分を痛感し、それを悔いるフリーレンは、“人を知るため”の旅に出る。その旅路には、さまざまな人との出会い、さまざまな出来事が待っていた―。

【市ノ瀬加那(いちのせ かな)Profile】
2018年の『ダーリン・イン・ザ・フランキス』イチゴ役で初めてメインキャラクターを演じ、その後『Fairy gone フェアリーゴーン』『キャロル&チューズデイ』『社長、バトルの時間です!』など数々の作品に出演。2021年に第15回「声優アワード」で新人女優賞を受賞。2022年から2023年にかけて2シーズンで放送された『機動戦士ガンダム 水星の魔女』では、ガンダムTVシリーズ初となる女性主人公・スレッタ・マーキュリーを演じた。

画像:©山田鐘人・アベツカサ/小学館/「葬送のフリーレン」製作委員会写真:©entax

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